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山本憲資の百聞と一見の二兎を追う


軽井沢でゼロから土地を購入して、ある程度好きなように新築で建てると、できる限り安く見積もっても7000〜8000万円のコストがかかってくる。これは僕には完全なる予算オーバー。建売りの物件等であればもう少しこなれた費用感のものもあるが、それだと満足度が下がるに違いなく、それも選択肢にはならなかった。

現実的なのは、古い物件を1000〜1500万円で見つけて、それを1000〜1500万円程度をかけて改装するというプラン。理想は合計で2500万円以内とした。

物件自体は、当初約1700万円で売り出されていたものを値下げいただき、最終的に1100万円で購入することができた。建物は約80平米、土地は(傾斜地を含み)250坪程度と軽井沢にしてはこじんまりだが、固定資産税等の維持費を考えると、コンパクトなサイズもそれはそれで悪くない。


リノベーション前の内装。白壁に襖など和風の平家だった


リノベーション前、部屋は3部屋に区切られていた

不動産に関しては、僕は15年ほど前、渋谷と恵比寿の間に築約25年、約50平米のマンションを2000万円程度(内装が要改装で、あまりにのもボロかったので土地の持ち分程度の価格)で購入。800万円ほどかけてフルリノベーションし、以来そこに住んでいた。ありがたいことに15年の間に値上がりし、今は改装費をいれてもおつりがきそうなくらいになっている。

軽井沢の小屋を前述の費用感くらいに収めることができれば、2軒あわせて5000万円あまり。決して安い買い物とは言えないながらも、都心でそれより値が張るマンションに住んでいる人も珍しくないだろう。

建築家は入れず、自分でプラン


リノベーションに関しては、建築家に依頼するというオプションもあったが、ここも費用とのバランスで、自分でプランすることに。東京のマンションを自分でプラン・改装したのが楽しかったということもあり、沸々とリノーベーション欲が湧いてきたことも今回のプロジェクトのモチベーションとなった。

建築家にお願いした場合は、設計が決まった後、設計会社に相見積を取ってコストを下げるというやり方もひとつだが、自分では建築事務所のような細やかなクオリティ管理まではできないので、軽井沢のことをよく知り、有名建築家の施工も数多く手掛けているという施工会社に最初からお願いした。

こちらもプラン確定まで、何度も打ち合わせを重ね、細かい要望をお伝えしながらも、なんとか予算内の1300万円程度に収まった。


スケルトンまで改装し、広めのワンルームに。床はタイル張りにして、天井を塗り、壁紙も張り替えた


縁側はそのまま残して、リビングと同じくタイル張りに。水回りもゼロから作り変えた

年明けから2〜3カ月程度かけてプランを固め、そこから3〜4カ月ほどで工事を進め、夏前に概ね完了した。まだ手を加えたいところはあるが、それは少しずつ整えていく予定だ。

近所にある坂茂が設計したホテル「ししいわハウス」の名称の由来でもあるが、この辺りの古い地名は「獅子岩」というらしい。うちの小屋はせせらぎを臨めることもあって、「游獅(ゆうし)山荘」と名付けることにした。英語ではPlayとLeoを合わせて「Pleo Hut」。僕は8月生まれの獅子座なので、あそびライオンの小屋という意味も込めている。先日こじんまりと開催した誕生会で、30代の最後に手に入れた新たな棲家を親しい友人たちにお披露目できて、じんわり喜びがこみあげた。


縁側からの眺めにせせらぎがあり、水音が心地よく、夏も割と涼しい。虫も多いのだけれど

文=山本憲資

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