世界でも有名な家族セラピストのバージニア・サティアが「私たちは生き残るために1日4回のハグが必要だ。調子を整えるには1日8回のハグが必要だ。成長のためには1日12回のハグが必要だ」と語ったのは有名な話だ。
あなたは毎日、何回ハグをしているだろう?
社会的距離を取ることが必要になり、人間同士の接触の機会が減り、人との交流は物理的なものからデジタルなものに移行している。その中で多くの人は、“ハグ不足”になっている。健康を維持するためのこうした措置により、心や感情の健康に加えて仕事での生産性が損なわれ、親密な関係や信頼関係も低下し、怒りや攻撃性が高まっている。しかし、これはほんの序の口だ。
リーダーはこのことを真剣に受け止める必要がある。私たちの感情や心のバランスが取れていればいるほど、チームを支援してこうしたバランスを実現することができるからだ。
ここでは、人間にハグが必要な理由やハグの数を増やす方法を紹介する。
人間にハグが必要な4つの理由
1. 免疫系が強化され、身体のバランスが取れる
ハグにより胸骨に圧力が加わり、これが胸腺を刺激する。胸腺は体の白血球の生成を制御し、バランスを取っているため、健康が保たれる。ハグによって血液などの循環が活性化され、交感神経系(闘う、逃げる、固まる)と副交感神経系(休む、消化する)のバランスが取れる。
2. 安心感が高まる
ハグには感情面でプラスの効果があり、自分は一人ではないことを思い出させてくれるし、ハグをすれば他者をより信頼できるようになる。しっかりとハグをした後にリラックスしていることに気づいたことはあるだろうか? ハグは、自分が他の人と一緒にいることに気づかせてくれる。私たちは、誰かと一緒ならばどのような困難にも立ち向かうことができる。
3. 所属感が高まる
ハグにより、オキシトシンのレベルが高まる。オキシトシンは孤独や孤立感、怒りを静めて治癒してくれるものだ。ハグは共有体験で、愛情を与えつつ受け取るものだ。
4. 自己評価や認められている感覚、自己愛が強まる
20秒以上の長いハグをすればセロトニンの水準が高まり、人は全体的により幸せに感じて前向きな感情を持てるようになる。他者から優しさと愛情の目を向けられると、自分が愛されていることを思い出すことができる。これは、子どものときに親から目を向けられ、その存在を認められ、親があなたの存在を幸せに感じていたときとまさに同じだ。