カリフォルニア州の新法は、ENDSやシガレットを含む、あらゆる種類のフレーバー付きタバコ製品の小売を禁じるものだが、フレーバー付きの高級葉巻タバコや、水キセルタバコについては、禁止の対象外となっている。
おそらく、この新法によって売上に最も大きな打撃を受けるのは、メンソールシガレットだろう。メンソールフレーバーのタバコを吸うのは成人の喫煙者が多く、ティーンやトゥイーンのあいだではそれほど人気がない。「ニューポート(Newport)」や「クール(Kool)」といったブランドが製造しているメンソールシガレットの販売禁止をめぐっては、熱い議論が起きている。
メンソールタバコの販売禁止に反対する人々は、この禁止措置は、有色人種の人たちが製造し、こうした層をターゲットにしている製品の販売を不当に制限するものだと主張している。さらに、1箱あたり12ドル以上高い、フレーバー付きの高級葉巻タバコを買う人たちを優遇しているとも批判している。
2009年には、連邦法の家庭内喫煙防止およびタバコ規制法が成立し、メンソール以外のすべてのフレーバー付きタバコが禁止された。これにより、「メンソールフレーバー」を謳うかなりの数の製品の販売が継続された。これは、メンソールは子どもにとって魅力が少ないフレーバーだと考えられていたことによる例外措置だった。
フレーバー付きタバコ製品を購入する手段は、オンライン販売を含めて数多く存在するものの、米国で最も人口の多いカリフォルニア州でさらなる販売規制が課せられたことで、こうしたタバコ製品を新たに使用し始め、その後依存状態になる事例を減らす効果があるのではないかと期待されている。
タバコに関連して命を落とす人の数は、米国だけでも年間50万人近くに達する。この状況を踏まえれば、これが「公衆衛生の危機」だとするニューヨーク州のクオモ知事の警告も、的外れとは言えないはずだ。