トランプ元腹心の暴露本が発売、大統領の歪んだ感情と言動を詳述

トランプ大統領の元顧問弁護士 マイケル・コーエン(Spencer Platt/Getty Images)

長年にわたってドナルド・トランプ米大統領の顧問弁護士を務めたマイケル・コーエンの暴露本「Disloyal: A Memoir」が、9月8日に出版された。その著書のなかでコーエンは、トランプを「詐欺師、うそつき、いかさま師、いじめを繰り返す人、人種差別主義者、捕食者、ペテン師」と呼んでいる。

複数のメディアが発売前に入手し、公開した同書の抜粋によれば、トランプは自らについて、「ヒスパニックの票は決して取れないだろう」と述べ、それは「彼らが黒人と同じで、あまりにも愚かだからだ」と説明していたという。

この暴露本は、トランプの人種差別主義や、米国初の黒人大統領バラク・オバマに対する嫌悪と侮辱などについても詳述。米国の第44代大統領を“けなしてクビにする”というお決まりのパターンでビデオを撮影するために、トランプが“偽物のオバマ”を雇っていたことも明かしている。

同書にはそのほか、トランプが2016年の大統領選への出馬前、不倫関係にあったポルノ女優、ストーミー・ダニエルズに口止め料として13万ドル(約1380万円)を支払ったことについても書かれている。

コーエンはこの件をすでに公にしていたが、同書ではさらに、「この件が公になれば、支持者たちがどう受け止めるか分からない。だがきっと、ポルノ界のスターと寝ていたなんてクールだと言われるに違いない」とのトランプの発言も明らかにした。

また、コーエンによれば、トランプは人種差別主義者である一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領には“愛情を抱いていた”という。それは、プーチンが「国全体を自分のものにすることができ、それを(トランプ・オーガナイゼーションのような)個人が経営する会社のように、運営することができるからだ」という。

ホワイトハウスは批判


ホワイトハウスのケイリー・マケナニー報道官は、同書の内容の一部が伝えられたことを受けて声明を発表。次のように述べている。

「コーエンは議会にうそをつき、信用を失った重罪人であり、資格を剥奪された弁護士だ。彼はすべての信用を失っている。うそをついて利益を得ようとするのも当然のことだろう」
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編集=木内涼子

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