ライフスタイル

2020.09.12 11:30

大阪の食の楽しみはホテルにあり。「セント レジス ホテル 大阪」の新たな魅力

「和」と「城」、二つのコンセプトを体現した和城の「茶室」


若手気鋭のシェフが提案する


もう一つ新しくなったのが、イタリアンの「ラ ベデュータ」。これまでイタリア人の総料理長が指揮を取っていたこのメインダイニングに、31歳の駒路和司シェフが、今年1月に抜擢されたのだ。
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去年、一昨年と、30歳以下の若手シェフの国際大会「サンペレグリノ・ヤングシェフ」のセミファイナリストとしてアジア予選に出場するなど、気鋭のシェフが今考えるのが、「地元食材の活用」。

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「ラ ベデュータ」の駒路和司シェフ

大阪出身ということもあり、大阪、そして近隣の京都、兵庫、奈良などに実際に赴いて食材を探し、「ここだからこそ食べられる料理」を追求する。更に今年は、大阪出身のイラストレーター、千秋育子さんとのコラボレーションで、「美食の旅」をテーマに、旬の食材を生かした特別メニューを提供している。
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8月は「キャビア」で、チョウザメのイラストのメニューカードと共に、宮崎産のキャビアと北海道産のウニが乗ったアミューズが提供された。

元々フランス料理にバックグラウンドを持つ駒路シェフは、フランス料理の技法をイタリア料理に溶け込ませる。例えば天然鮎のラビオリは、鮎の頭と骨で作ったフュメ・ド・ポワソンに阿波尾鶏のムネひき肉を加えたコンソメ仕立てのスープに、肝ごとすり身にして、ほろ苦さが生きた鮎のフィリングの入ったラビオリを浮かべる。

更に、コンソメとフォアグラという定番の組み合わせを応用し、あっさりした鮎に油分を補うイメージでフォアグラを添えて提供している。フランス産の鳩には、香ばしく焼いた鳩のガラに鶏のフォンを加えて作ったソースを添えるなど、要所にフランス料理の骨格が生きたイタリア料理が楽しめる。

伝統的な技法を使うだけでなく、ソースの加熱は40分以内に留め、フレッシュな香りを残すなど、今の時代に合わせた料理を生み出している。

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鳩のもも肉とレバーはコロッケ仕立てに、ピュアホワイトとゴールドラッシュという2種類のとうもろこしと、ヤングコーン、ポレンタ、コーンスプラウト、ポップコーンとコーンの様々な味のグラデーションを重ねている。

香りへのこだわりは、メインディッシュの後にも。通常はお口直しのグラニテがフランス料理の定番だが、暑い夏は「香り」から涼を感じてほしいと、ドライアイスの上にミントウォータを注ぎ、食べずに香りを楽しむ「ミントの香りのリフレッシュ」を提供するなど、味覚だけではない「食体験」を演出している。

どちらのレストランも、それぞれのアプローチで「大阪らしさ」を打ち出しているのが特徴だ。元々大阪は、富裕な商人の街であったこと、北前船が停泊し全国から食材が集まったことが「食い倒れの街」と呼ばれる背景にある。

泉州野菜と呼ばれる野菜を始め、地産食材の豊富さも魅力の一つ。「粉もん」だけでない、大阪の食を、ホテルで気軽に楽しめるのも嬉しい。

また、12月23日まで、ステイケーションプランも提供中。朝食付きで、チェックイン12時、チェックアウト16時で利用でき、和城やラ べデュータも含むホテル内のレストラン・バーやスパ、アップグレードにて使用可能な5000円分のクレジットがつく。

遠出はできなくても、国内に目を向ければ、身近な所の魅力に気づくはず。日本の多様な良さを、食から楽しんでみてはいかがだろうか。

文=仲山 今日子

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