気づきとなる「問い」を投げかけてくれるメンターが必要な時代
さて、そろそろ終わりにしますが、私ごとですが、最近、『これからの生き方。』という新刊を発売しました。
この本の隠れたテーマの一つは、まさに「人生において、よきメンターを持つことの威力と重要性」です。
具体的には、本作は漫画という技法を用いて、登場人物が8名出てくるのですが、彼らはビジネスシーンの中で「良きメンター」によって導かれ、育っていきます。その過程を「あるあるネタ」を交えながら、描いています(巻末にはチームや仲間内で「共通の問い」を答えられるような、ワークシートもつけています)。
なぜ、このような設定なのか?というと、現代のビジネスパーソンのキャリアの課題というのはこの「優れたメンター」を持ちづらくなったこと、ではないか、と思っているからです。
これはたとえば、先輩と飲みにいくことや、業務以外の部分で付き合いが減った、というのももちろん、何よりもコロナの影響によって「必要以上の接触」や、まとまった研修なども減ってきていることが影響しています。
現に、最近では『1兆ドルコーチ』という本が世界的にベストセラーになり話題になりましたが、これも、エリック・シュミット元グーグル会長に代表されるような、どんな現代の優れた経営者やリーダーでも、自分のキャリアや経営のタイミングを振り返るためには、良き問いを提示してくれるメンターが必要だ、といっているのかも知れません。
エリック・シュミット元グーグル会長(Getty Images)
なにが言いたいのか? それは二つです。
現代とは「良きメンター不足の時代」なのではないか? ということ。
もう一つは、
あなたは、臨床と研究のバランスをうまく取れていますか? そのためのメンターを持っていますか? と。
ぜひ、気づきとなる「問い」を投げかけてくれるメンター探し、そして、その大きな助けになる一冊をお楽しみいただけると幸いです。
北野唯我(きたの・ゆいが)◎実業家、作家。『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』など大ヒット著書多数。とくに前作『転職の思考法』20万部突破のベストセラーに。近著に『これからの生き方。自分はこのままでいいのか? と問い直すときに読む本』がある。