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2020.09.08

中国でテスラ猛追のNIOが直面する「充電インフラ」の課題

NIO EP9(Photo by Getty Images)

中国のEVメーカー「NIO(上海蔚来汽車)」の株価は5月後半から472%上昇し、同社創業者のウィリアム・リー(李斌)は、再びビリオネアの仲間入りを果たした。これまで、NIOは売上拡大に苦戦しており、リーの保有資産は大幅に目減りしていた。

「中国のイーロン・マスク」と呼ばれるリーはコスト削減に取り組み、6月には合肥市政府や投資家から50億元(約777億円)を調達し、事業継続に必要な資金を確保した。

転機は5月にやってきた。NIOは、第1四半期に市場予想を上回る13.7億元(約212億円)の売上高を記録し、第2四半期には売上高と出荷台数が2倍以上に増える見込みだと発表したのだ。第2四半期の実績は、出荷台数が前年対比3倍の1万331台となり、過去最高を達成した。

中国市場が新型コロナウイルスによるダメージから回復を見せる中、NIOの売上高は37.2億元(約578億円)を記録した。ナスダック市場でNIOの株価が急上昇したことにより、5月22時点で5億7240万ドルだったリーの資産は、29億ドルまで増加した。

「NIOの事業は好調だ。資金調達を実施し、新モデルもリリースした」と上海に本拠を置くコンサルタント会社Automotive Foresightでマネージングディレクターを務めるYale Zhangは話す。

リーは、NIOの今後に楽観的な見方を示しており、8月のアナリスト向け電話会議では、第3四半期に最大1万1500台を出荷すると述べた。また、部品調達コストの削減により、粗利益率が2桁に改善する見込みという。

投資家も、NIOの中長期的な成長性に注目している。Oliver Wymanの上海事務所でパートナーを務めるTeng Yongは、投資家のEV市場に対する強気な見方が新たな資金調達に有利に働くと指摘する。テスラは、好調な売上を背景に株価が今年に入って6倍に上昇し、イーロン・マスクの資産額は858億ドルとなり世界富豪ランキングで5位に浮上した。
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編集=上田裕資

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