クーパーマンは、根拠のない多幸感が市場に忍び寄っていると警鐘を鳴らした。SPAC(特別目的買収会社)とIPOのブームに加えて、「(オンライン投資会社の)ロビンフッド(Robinhood)の利用者たちが飛びついた多くの銘柄の暴騰」を引き合いに出してのことだ。
「市場には安全マージンがない」とクーパーマンは述べ、今年の利益のほとんどが政府支援によるものであることを投資家が理解すれば、バリュエーションは下落するだろうと付け加えた。
ウォール街関係者の多くは、米連邦準備制度理事会(FRB)の低金利を歓迎しているものの、中央銀行がゼロ金利政策を推進しているのは「経済状況が悪いからだ」と、クーパーマンは強調した。
現在の株価上昇のうちあまりにも多くの部分が、FRBの景気刺激策と、議会が承認した国家負債の増加につながる支出から来ている、とクーパーマンは指摘した。そして、これだけ多くの需要が牽引されれば、市場の長期的リターンは伸び悩むだろうと付け加えた。
クーパーマンは、現在の市場における最大の懸念事項として、米中関係の「険悪化」、議会の財政出動の遅れ、11月の大統領選をめぐる大きな「不確実性」の3つを挙げた。
また、アップルとテスラによる株式分割の発表後に買い占めに走った投資家を批判。「誰でも知っているように、分割は価値を生まない」と述べた。