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2020.09.07 06:00

インドでの拡大狙うウォルマート ついに海外での成功なるか?

Getty Images

米小売大手のウォルマートは、高度なロジスティクスとコスト削減、店の場所の選定、店舗拡大への資本投資、低価格を追求する容赦ない姿勢によって米国最大の小売企業となった。

同社は、同じ戦略を採用すれば世界の他地域でもうまく行くと考えている。しかしそれはこれまで、必ずしも計画通りに行っていないようだ。

世界での失策にもかかわらず現在も世界最大の小売企業であるウォルマートは、英国で子会社のスーパーチェーン、アズダを再度売りに出している。またインドでは、同社は種々雑多な実店舗とオンラインの事業を組み合わせ、一貫した事業提供を構築しようとしている。こうしたニュースからは、ウォルマートがいまだに世界的な戦略をまとめきれていないことがまたもや示されている。

同社はメキシコや北米の他地域では成功を収めたものの、同社が海の向こうに進出しようとした途端にその戦略は通用しなくなってしまうようだ。ドイツと日本部門は売却されたし、中国部門の実店舗分野はいまだに持ちこたえているものの、ネット販売は消えた。ウォルマートは今回、一時は国際展開の象徴として掲げた英スーパー雑貨チェーン、アズダの一部か全てを売却することを目指している。

インドの状況はこれとは少し違う。同社は2018年、多額の資金を費やしてインドのインターネット通販大手フリップカート(Flipkart)の事業の77%を購入し、世界最後の巨大な小売事業フロンティア(未開拓地域)であるインドへの投資を強化した。同社はその後、12億ドル(約1300億円)を追加で投資し、フリップカートの持分株式は82%まで上昇した。

フリップカートはその後、ウォルマート・インディアの買収を発表している。ウォルマート・インディアは本質的に、キラナ(インドで食品や雑貨を販売する地元の零細商店)に商品を提供する法人向け卸売業者だ。

ウォルマートにとってのリスクは大きい。インドの小売分野はいまだに不安定で、同国は世界で最後の巨大市場と考えられている。インド全土には1200万以上のキラナがあるとされている。インドではこれまで規制により、米国や欧州の巨大な多国籍小売企業の進出を阻止する数々の障壁が構築されてきた。それにより、こうした無数の地元の零細店舗は長い間守られてきた。

その結果としてインドには、大規模な量販店やデパート店、さらにはオンライン店舗に類似するものが全く存在せず、市場は非常に断片化している。
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翻訳・編集=出田静

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