ビジネス

2020.09.05

米国で大苦戦の電子タバコ「JUUL」が社員の半数以上をレイオフ

Stephanie Keith/Getty Images

電子タバコのJUUL(ジュール)で知られる米国の「Juul Labs」が全体の半数以上の社員をレイオフし、現状で2200人の社員数を1000人程度まで引き下げることを検討中であると、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じている。

しかし、同社は詳細についてはアナウンスしておらず、公式サイトの声明では“グローバル規模の大幅な削減”を実施すると述べている。Juul Labsはさらに、事業の継続に必要なボリュームの売上が得られないことを理由に、欧州とアジア市場の一部から撤退する意向を示している。

Juul Labsは今年に入り1000人をレイオフし、韓国やオーストラリア、ベルギー、ポルトガル、スペイン市場からの撤退を宣言していた。

米国では昨年から電子タバコの健康被害が問題化し、若者の電子タバコ利用を助長しているとの批判を浴びたJuul Labsの前CEOは9月に辞任。新CEOにタバコ最大手のアルトリア・グループ元取締役のK.C. クロスウェイトが就任していた。

WSJによるとJUULブランドの米国の電子タバコ業界における市場シェアは、2018年当時の75%から、58%に低下している。

米国の議員らは、数年前から若者の電子タバコの使用率が急上昇したのを受けて、電子タバコ企業を目の敵にするようになった。このカテゴリを代表する企業であるJuul Labsは、未成年向けにプロダクトを宣伝しているとして、米国の39州で当局の調査に直面した。

トランプ政権は昨年、ミントやフルーツ系のフレーバーの電子タバコを禁止したが、カリフォルニア州はさらに踏み込んだ措置に乗り出し、今週からメンソール系のタバコも禁止している。

昨年から度々報じられた電子タバコの健康被害の大半は、闇ルートで出回るプロダクトが原因だったものの、JUULのブランドイメージは大きく低下した。

編集=上田裕資

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