これまでなかった新しいカテゴリーへの挑戦。テスト販売で分かったお客様の声にどう応えられるのか。改良を重ねて発売に至るまでの開発ストーリーを担当の山本 翠に聞いた。
担当者プロフィール 山本 翠さん|2012年新卒入社。主に繁華街立地の店長経験を積んだ後、経営管理部にて管理・分析を担当。2019年10月より商品企画部に異動し、現在はドトールコーヒーショップのメニュー開発を担当している。
多様なニーズに応え、お客様の選択肢を広げたい
──健康志向の方へのメニューを開発したきっかけは?
最近では宗教や健康、環境配慮など食文化の多様化が進み、海外だけでなく日本でも食の選択肢が広がっています。中でも、ベジタリアン向けのメニューの需要は高まっており、大豆ミートをはじめとする植物性肉も最近ではよく見かけるようになりました。
当社でも、より幅広い層のお客様に食の選択肢のひとつとして選んでいただけるようなメニューを提案できないかと開発をスタートしました。
さまざまな食生活をされている方のために、何ができるのかと考えるなかで、肉や魚も食べるけれど、野菜中心の食生活というフレキシブルな菜食主義「フレキシタリアン」と呼ばれる方々に着目しました。健康志向だけれど、おいしさにも敏感なフレキシタリアンの方々をターゲットとし、満足してもらえる商品を目指して今年3月からテスト販売を実施しました。
お客様の声を聴き、すべての食材を「植物性由来*」の原料を使用したものに変更したことで、より多くのお客様が楽しめるメニューに!
──テスト販売でお客様の反応はどうでしたか?
わずか20店舗の導入で、特別なアピールもしていなかったのですが、問い合わせの件数が多く、反響の大きさを感じました。
はじめは味を優先して、動物性由来の食材も使用していたのですが、お客様からは「すべて植物性由来の食材だったら食べられるのに…」「動物性由来の食材がない方がいい」という声が多く寄せられました。
そこで、すべての食材を「植物性由来*」の原料を使用したものに変更。しかし、動物性由来の食材を使わないことで、おいしさを妥協することはできません。代替となる食材の選定にも苦労しました。
それでも、お肉の食感やうま味は大豆ミートだけでは物足りなさを感じてしまうため、れんこんやゴボウを使ったきんぴらで食感をプラスし、あらごしトマトやトマトピューレを使った和風トマトのソースには椎茸の出汁を使ってうま味を加えました。
また、テストの際はコールドサンドでしたが、よりおいしくお召しあがりいただけるよう大豆ミートも温めて提供するオペレーションに変更しました。