上司との関係を直ちに改善する、たった一つの質問

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2つ目に、この質問では自分ができることを一つだけ尋ねているので、相手が回答しやすいことがある。部下がいきなり自分のオフィスにやってきて(あるいは電話をかけてきて)自分が改善すべきことを全て教えてほしいと言ってきたら、上司は当惑するだろう。上司の頭には、どうやって答えればよいか、どこから始めるべきか、数日かけて考えてもよいだろうか、などの疑問が浮かぶはずだ。

それに対し、この質問で求めている回答は一つのみだ。それは全く新しいことである必要はなく、少しだけやり方を変えてほしいことでもよい。これを、近しい関係にある人に置き換えて考えてみよう。配偶者や子ども、近所の人や友人、同僚など、誰であれ必ず、相手に少し変えてほしいと思うものが一つはあるはずだ。それと同じで、上司にもあなたに変えてほしいと思う小さなことが必ずある。

3つ目に、この質問では相手の仕事を「楽にする」方法を尋ねているため、非常にやわらかい言い方となる。新入社員が自分のオフィスに来て「部長の仕事で何か引き取れるものはありますか?」などと尋ねたら、口調が完璧でない限り、警戒感を持つ人は多いだろう。たとえ上司が過労気味に感じていたとしても、誰かが自分の仕事を奪うことに居心地の悪さを感じるのは当然のことだ。

上司にアプローチするときには、押しが強すぎると上司が警戒してしまうことを心に留めておく必要がある。一方で、どのようにすれば相手が楽になるかを尋ねれば、相手の仕事を狙っているわけでも相手の領域を侵害したいわけでもなく、ただ協力したいだけだと示すことができる。

最後の理由は、この質問をすることで、上司との関係の中であるかもしれない大きな問題が明らかになることだ。上司の仕事を楽にする方法はあるかと尋ねても「ない」と言われたら、相手との関係にさらに深い問題があるのかもしれない。

ただ、上司はたまたまその日に大きなストレスや疲れを感じていただけかもしれないので、数週間待ってからもう一度試してみよう。それでも答えが得られなければ、深刻な問題がある可能性がある。そうであれば、上司とのこれまでの関係性と過去に受けたフィードバックをさらに慎重に見直す必要がある。

上司はただの嫌なやつかもしれないし、昨年あなたに与えたフィードバックをあなたが無視したため怒っているのかもしれない。どのような状況であるにせよ、このシンプルな質問が関係性の健全さを測る簡単な方法となる。

編集=遠藤宗生

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