改革や新方針の実施、予算の削減、遠隔勤務への適応など、どのような目標を追求するにしても、何かを成し遂げる十分な力が自分にあると感じられなければ、リーダーは不安や不満を感じてしまう。不安と不満は独裁的なリーダーシップ手法(大半の人がこれを嫌っていることが最近の調査から分かっている)につながる恐れがある。
ただ、ある1つのシンプルな質問をすることで、上司の不安や不満の多くを解消し、関係を即座に改善させることは可能だ。それは「あなたの仕事を楽にするため私ができること、あるいはやり方を変えられることが何か一つでもありますか?」というものだ。
この言い回しの裏には重要な心理的要素が含まれている。以下に、この質問が非常に効果的である4つの理由を紹介しよう。
まず、上司から何か言われるのを待たずに、自分から積極的にフィードバックを求めている。このポイントが非常に大事だ。
私が行った調査では、自分のパフォーマンスが期待値を満たしているかを「常に」理解していると答えた従業員はたった29%だった。一方で「全く」「ほとんど」「時々しか」理解していないと答えた割合は半数を優に超えた。
このデータからは、上司が部下にパフォーマンス関連のフィードバックを与えることをあまり居心地良く感じていないことが示されている。さらにこの点を掘り下げるため、管理職に対するアンケートで、フィードバックを与えることが気楽にできるかどうかに関して尋ねたところ、従業員の反応を恐れて厳しいフィードバックをすることを避けたことがあると答えた人は81%に上った。
上司にどうすれば相手の仕事を楽にできるかを自分から尋ねることで、上司が部下に話しかける際に感じている負担を取り除くことができる。また、自分は上司の考えを本当に知りたいと考えていることも示せる。