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具体的には、長きにわたる経済停滞から脱却し、失業率の低下にも部分的に貢献した点などがプラスの面として評価できる一方、二度の消費税増税が再び景気を悪化させた点や、規制改革が女性の地位向上に実質的にはほとんど貢献しなかった点で課題が残ったという。


ラフォーレ原宿前の交差点。新型コロナの影響で人通りは以前より疎らに(Getty Images)

新型コロナウイルスの感染拡大が懸念され始めた時点で、日本は既に2四半期連続のマイナス成長を記録しており、景気は極めて厳しい状況にあったが、アベノミクスへの代案は未だでてきていないと指摘。おそらくは今後も「現状維持」の政策が続くことが予想されるが、パンデミックの影響を大きく受けた人々にとってそれは死活問題だと懸念を示す。

「このような状況になった今、安倍政権はいつも市民を置き去りにしてきたように感じます」という、東京で飲食店を経営する日本人の言葉を紹介し、コロナ禍以後の経済対策の不十分さを指摘した。

フランス24 アベノミクスは「企業優先の政策だった」


仏メディアのフランス24は「Le Premier ministre japonais Shinzo Abe démissionne, mais que reste-t-il des "Abenomics"?」のなかで、アベノミクスは「実を結ばなかった」と評価し、そのうちの半分は「失敗だった」と振り返った。

日本がデフレから脱却することに苦労した理由としては、大規模な金融緩和にもかかわらず、多くの企業が投資よりも貯蓄することを好んだという点、そして第3の矢の「成長戦略」の部分で、人口減少傾向による経済停滞を食い止めるほどの構造改革が進まなかったことなどを指摘している。

また重要な論点として、アベノミクスは全体として「第1に企業を対象とし、第2に購買力の高い消費者を対象とした施策」であったと分析。1980年代のバブル以降に生まれた格差は、アベノミクスでも拡大する傾向にあったと主張した。次の首相はアベノミクスからの変化を打ち出していくことも必要になるが、「日本にそのような機運は見られない」と懸念を示した。

新型コロナ危機なかで経済は日本だけでなく世界的に落ち込んでいる。「アベノミクス」の成果を改めて見直しつつ、大胆な改革のビジョンを示せるのは誰か。次期首相は、9月14日投開票の自民党総裁選で決まる見通しだ。

文=渡邊雄介

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