ビジネス

2020.09.04

ウォルマートが新たな会員サービスを開始 アマゾンと競えるか?

Photo by Justin Sullivan/Getty Images

米小売大手のウォルマートは今週、「ウォルマート+(プラス)」と呼ばれる新たな会員制サービスを立ち上げ、9月15日から顧客に提供することを計画していると発表した。

サービス料金は年額98ドル(約1万円)で、ネット上と実店舗の両方でメリットがある。ウォルマートは、この新サービスが「アマゾンプライム」と競合するものではないとしているが、消費者はこの2つのサービスを比較することになるだろう。ウォルマートは次のように述べている。

「会員は店舗からの無料配送を無制限で受けることができ、ガソリンの割引や、買い物時間の短縮を可能にする家族向けツールの提供もある。会員制度は、9月15日から全ての顧客が利用でき、費用は年額98ドルか月額12.95ドル(約1400円)で、15日間の無料お試し期間が設けられている。当社の広範な強みを生かし、今後は会員向けにさまざまなサービスや商品に関する特典を追加する予定だ」

ウォルマート+では、無料配送が何度でも利用できる。これはかつて「デリバリー・アンリミテッド」として提供されていた会員制サービスだ。現在、デリバリー・アンリミテッドを利用している人は全員が自動的にウォルマート+の会員になる。ただし、新サービスになっても配送の最低発注金額35ドル(約3700円)は維持される。

新たな会員サービスでは、ウォルマートアプリ内で「スキャン・アンド・ゴー(Scan & Go)」も利用できる。ウォルマートは「当社のアプリを活用すれば、顧客は買い物をする際に商品をスキャンし、ウォルマート・ペイを使って素早く簡単に、非接触方式で支払いを済ませることができる」と説明している。

ウォルマートは否定しているものの、顧客は同社の会員制サービスをアマゾンプライムと比較し続けるだろう。2社のモデルの間には多くの違いがある。ウォルマート+ではガソリンの割引サービスがあり、アマゾンプライムでは映画のストリーミングができる。ウォルマート+の年会費は98ドルだが、アマゾンプライムは年額119ドル(約1万3000円)、あるいは月額12.99ドル(約1400円)だ。
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翻訳・編集=出田静

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