キャリア・教育

2020.09.04 09:00

むしろ「好機」。採用活動のオンライン化は、今、優秀な人材を確保する上で最良な方法である


対面に比べて一度の面接で得られる情報量は少なくなるので、「対面の面接では4項目を判断できたところを、オンライン面接では2項目しか判断できなかった」といったことも起こるでしょう。

そのときは、面接の回数を増やしたり、該当の項目の見極めに長けた社員を次の面接担当にアサインしたり、新たな課題を用意したりすることで対応できるはず。そのため、採用基準を言語化できている企業は“候補者の見極め”に困ってはいないのです。

一方で困っているのは、これまで「なんとなく」「雰囲気で」といった、言語化できない曖昧な要素に頼って採用・不採用を判断していた企業です。「会わなければ見極められないから、いったん採用活動を止めよう」と思考停止になってしまうのではもったいない。

ぜひ、「この機会に採用基準を言語化することで、オンライン面接にシフトできるかもしれない」と考えてみてほしいです。

関連記事:採用基準の設計と運用|選考の質を高め、社員の定着率を向上させる

距離と時間の壁を超えられる、つまり会える候補者が増える


オンラインでの採用活動ならではのメリットもあります。一番は、時間のコストが節約できること。候補者側は移動時間が不要となることで、企業研究や面接の準備により多くの時間を割くことができるようになります。一方、企業側は会場セッティングが不要となることで、情報発信に注力したり、じっくり選考したりすることが可能になるのです。

また、“時間枠に縛られづらい”というメリットもあります。対面だと、少し話して互いにアンマッチを感じたとしても、「すぐに切り上げるのは失礼だから」と1時間ダラダラと話しがちですよね。

けれどオンラインなら、むしろダラダラ話す方が失礼。採用活動の場面に限らず、「オンラインの方が会議がスピーディーに進む」という声はよく聞きます。

加えて、オンラインでの採用活動が普及すると、距離の壁に阻まれがちだった地方や海外在住の候補者が不利で無くなるため、地方から都心への就職・転職、反対に都心からのIターンやUターンなども増えていくことでしょう。

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文=小野祐紀

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