社員やカルチャーを知ってもらえる機会は、むしろ作りやすい
まず、よく抱かれる一つ目の誤解は、“企業の魅力を伝えることが難しいのではないか”というもの。「実際に来社してもらった方が、オフィスの雰囲気などを感じ取ってもらいやすい」と思われがちです。
けれど、実際はオンラインの方が、複数人の社員と会話する機会を学生や転職希望者などの候補者に提供しやすく、企業の人やカルチャーを知ってもらいやすいのです。なぜなら、オンラインであれば「10分間だけZoomに入って話して」とハードルの低い依頼ができて、社員を巻き込みやすいから。
エンジニアのメンバーが、画面共有機能で開発環境を見せながら候補者と話す、といったことも可能になります。社員数人を交えた1時間程度のオンライン交流会を実施している企業もあるようです。
自社の魅力を伝えるためには、情報発信に力を入れることも大切です。学生と話していても、「移動時間がなくなって準備に掛けられる時間が増えた分、企業のホームページやSNS、採用担当者や社員のTwitterアカウントなどから情報収集をしている」という声が多い。
当然、情報発信に積極的な企業への興味が高まりやすいですよね。オンライン面接は一度に伝えられる情報が限られてしまうからこそ、多面的に情報発信をしていくことをおすすめします。
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採用基準があれば、候補者の見極めは難しくない
続いて、よく抱かれる二つ目の誤解は、“候補者の見極めが難しいのではないか”というもの。対面に比べて五感で得られる情報が少なく候補者の持つ空気感が読み取りづらいため、自社に合う・合わないの見極めがしづらいと思われがちです。
けれど、オンライン面接の方が、相手の準備や気遣いが見えやすいという声も聞かれます。たとえば、「開始時間の5〜10分前にZoomに入って、カメラの角度や音響の調整をしている姿を見ると、好感が持てる」「こちらからの質問に答える際に、回答と補足情報をチャットで送ってもらえると、社内報告に役立つ」という採用担当者の声も。
こうした姿勢や気遣いが見えやすいのはオンラインならではであり、見極めに役立つ要素の一つとなります。
何より、“候補者の見極めが難しい”という意見する方にまず問いたいのは、「採用基準を言語化できていますか?」ということ。スキルとマインドの両面で採用基準を言語化できており、それらをチェックリストのような形式にまとめられている企業であれば、次の手を考え、打つことができるからです。