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たとえば、相手が「断られるはずはない」という前提であなたに業務の依頼をした場合、断られてしまったら、相手は心の中ではうろたえてしまいます。この感情を打ち消すための行為が、あなたへの反撃(口撃)と姿を変えるのです。そんな場合は、強いことを言われたり、辛く当たられたりすることもあるかもしれません。

それでも「No」と言わなければならない局面では、相手の立場を尊重しつつ、「No」の理由の説明に加えて、代案(別のアイデア)を提示することを心がけてください。代案の提示により相手には選択肢が与えられるので、結果として負の感情が芽生えにくくなり、「No」を受け入れる余裕ができるようになります。

たとえば、「今月いっぱいはタスクが詰まっていて難しいのですが、今のプロジェクトが終わった来月ではどうでしょう」とか、「メインでは難しいですがサブの立場でのヘルプなら」など。

これはちょっとしたコツです。「No」を伝えなければならない場面においては、ストレートに「No」という言葉を使う必要はありません。直接の表現を控えても、「No」を伝えることは可能です。「都合により遠慮させてください」「一旦見送らせてください」「今回は見合わせさせてください」「次回は……」など、日本語ならではの婉曲的な言い方を使うのもいいかもしれません。

第2回 産業医が「白衣を着ない理由」|元アマゾン産業医の相談室 #2 

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鈴木英孝◎1993年産業医科大学卒業。米国総合エネルギー企業エクソンモービル社日本法人、アマゾンジャパン合同会社の産業医としてグローバルな産業保健活動を経て独立、現在アッシュコンサルティングサービス代表社員。専門は職域の感染症管理、健康経営、化学物質管理、喫煙対策などを含む「産業保健」。新型コロナ ウイルス対策を始めとした感染症対策、労働衛生マネジメントシステムの国内導入を進め、さらに学会活動を通じて欧米型の産業保健活動を広く国内に紹介する。

文=鈴木英孝 編集=石井節子 写真=帆足宗洋

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