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新型コロナウイルス感染症を抑制する安くてシンプルな方法が存在する。ボストン大学の経済学者ローレンス・コトリコフとハーバード大学の伝染病学者マイケル・ミナは先日、米紙ニューヨーク・タイムズへの意見記事で、ある検査法を採用すれば米国の労働者が急速に職場復帰できるかもしれないと述べた。しかし、その検査法はまだ採用されていない。

これは、ペーパーストリップ検査のことだ。ペーパーストリップ検査を使えば、米国人は毎日自宅で新型コロナウイルス検査を行うことができ、費用は1回につき1ドル〜2ドル(約105〜210円)だ。政府の方で、検査費用を無料にすることさえできる。

鼻咽腔ぬぐい液検査や、指先から採取した血液を使った検査では、検査を受ける際に不快感が生じ、時間もかかる。一方、ペーパーストリップ方式でがチューブに唾液を吐き出すか、短い鼻腔用綿棒を使用するだけでよく、結果は数分で判明する。

現在使用されている標準的なPCR検査には50〜100ドル(約5300〜10600円)必要で、それ以上の金額になる場合もある。検査結果が出るまでには1週間以上かかる場合もあるため、実質的にはあまり役に立たない。またPCR検査は、1度限り行われる不定期なものとなりがちだ。

ペーパーストリップ検査を広く活用することで、ロックダウン(都市封鎖)の問題が解決される可能性がある。そのメリットは次のようなものだ。

・雇用主は従業員に対し、時間が刻印された陰性の検査結果を示す写真を出勤前に求めることができる。
・レストランやバーでは、検査結果が陰性の写真を持つ人に限定してサービスを提供することができる。
・その日の陰性の写真を基に、学校や大学では学生を、航空会社では乗客を受け入れることができる。
・競技場やコンサートホール、映画館などでも同様の対応が取れる。

上記のようなメリットにもかかわらず、この検査法の活用が進まない理由は何だろう?

それは米連邦政府だ。臨床検査室改善修正法(CLIA法)の下では、人体に用いられる医学検査で、検査結果により人々の決断や行動に影響がもたらされ得るものは、必ず政府の承認を得なければならないことになっている。CLIA法を直接施行するのは米食品医薬品局(FDA)で、これが問題なのだ。

翻訳・編集=出田静

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