ビジネス

2020.09.01

製薬大手バイエルが「ビタミン剤のサブスク企業」を買収

バイエルCEOのヴェルナー・ボウマン(Maja Hitij / by Getty Images)

ドイツの製薬大手「バイエル(Bayer AG)」が、パーソナライズされたビタミン剤やサプリメントのオンライン販売を手がけるスタートアップ企業「Care/of」を買収する。

事情に詳しい関係者がブルームバーグに語ったところによると、バイエルは創業4年のCare/ofの企業価値を2億2500万ドル(約238億円)と評価し、株式の70%を取得するが、残りの株式を2022年までに取得するオプションを検討中という。

バイエルの広報担当のDan Childsはブルームバーグの取材に、今回の買収が両社にとって意義深いものだと述べたが、金銭的条件についての言及は避けた。バイエルはCare/ofのビジネスモデルやプロダクトを、既存の流通チャネルに拡大可能だと考えており、新たな顧客にアピールしたい意向だ。

Care/ofは現時点でD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマ)型のビジネスモデルをとっているが、両社は今後、新たな販売チャネルやカテゴリを開拓していく計画だ。

サブスクリプションベースの販売を行うCare/ofは、2018年にゴールドマン・サックスのベンチャー投資部門から資金調達を行った後、1億5600万ドルの評価を受けていた。同社は2016年に、Craig ElbertとAkash Shahの2人が設立していた。

ビタミン剤分野ではここ最近、Care/ofやHUM Nutrition、Ritualなどの企業がミレニアル世代向けのプロダクトを発売し、インフルエンサーを起用したマーケティングを行っている。Care/ofのインスタグラムでは、“ミレニアル・ピンク”と呼ばれるカラーが多用されている。

調査企業IBISWorldによると、米国におけるビタミン剤やサプリメントのオンライン売上は2020年に15%拡大し、183億ドル(約1兆9300億円)に達する見通しだ。

編集=上田裕資

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