LeoLabsは8月27日、ロシアが1994年に打ち上げた衛星「RESURS O1」から、複数のデブリが放出されたことを検知した。同社のCTOのマイク・ニコラスがフォーブスに語ったところによると、衛星から排出された数十個の機械部品が現在、地球の軌道上を漂っており、宇宙空間の別の衛星などと衝突する危険があるという。
デブリが発生した原因は不明だが、ニコラスによると燃料タンクなどの部品に不具合が発生し、衛星から脱落した可能性があるという。
デブリは高高度を漂っているため軌道上に今後も残り続け、将来的にISSやスペースXのスターリンクと呼ばれる衛星コンステレーション(衛星の群れ)と接触する危険がある。フォーブスはNASAとスペースXにコメントを求めたが回答は得られていない。
宇宙空間で物体同士が接近する事例は他にもあるが、ニコラスによると危険につながりそうな事例は珍しいという。LeoLabsが今回ほどのリスクを検知したのは過去に1回だけで、今年に入りピッツバーグ上空で2つの役目を終えた衛星が衝突しそうになったのを確認していた。しかし、その際はあと一歩のところで衝突を回避できていた。
国連は、衛星のオペレーターたちにミッション終了後の衛星を、25年以内に軌道から除去するよう求めている。しかし、欧州宇宙機関によると現在、宇宙空間には1億3000万個もの細かな宇宙ゴミが漂っているという。
また、別の科学者チームのレポートによると地球の軌道上の衛星の数は約2666基に達しているという。しかし、ニコラスによると近年は民間企業がこれまで以上の数の衛星を送り込もうとしており、デブリによる衝突事故のリスクは高まっている。
イーロン・マスクのスペースXは、最終的に4万2000基の衛星を打ち上げ、地球上のあらゆる場所にインターネット接続を提供しようとしている。アマゾンの衛星ブロードバンド計画Project Kuiperも先日、米国のFCC(連邦通信委員会)の承認を受け、3236基から成るコンステレーションを実現しようとしている。