Close RECOMMEND

世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

2019年にロンドンのテート・モダンで開催された「Olafur Eliasson: In Real Life」(Getty Images)

ワークライフバランス、生産性という言葉が浸透し、仕事を場所や時間で括らない働き方が広がっている。趣味を副業にするような人も増えてきた。また、コロナ禍による在宅ワークで、移動によってオンオフを切り替えるのも難しくなった。それに伴い、仕事と休みの境目はより曖昧になり、「休み」のあり方が多様化している。

そんななか、「強いて休みを定義するなら、仕事とあまり関係ないインプットをしている時間」と話すのは、スマホ収納サービス「サマリーポケット」を展開するサマリーの山本憲資ファウンダー&CEOだ。彼がその中でも多くの時間を費やすのが現代アートの鑑賞で、去年は国内外で100を超える展覧会に足を運んだという。「見たいものがあれば、東京→横浜ぐらいの感覚でアジアまで行ってました」とさらりと話すが、忙しい合間を縫って飛び回るのはなかなかのハードワークだ。

そこまでして、なぜ現代アートを追うのだろうか。作品に向き合うことは、経営や人生においてどんな意味を持つのだろうか。コロナ禍によって多くの展覧会が見送られる中、その「休み」はどう変わったのか、話を聞いた。




──スタートアップの経営者となると、一般のビジネスパーソン以上にオンオフの境がない生活ではないかと想像しますが、山本さんにとって「休み」とはどのようなものでしょうか?

「休み」の定義は自分では正直よくわからなくて、どちらかというと24時間働いていたいと思っています。僕は経営者のメインの仕事は「インプットの量と質を最高に高めて、解像度を可能な限りあげて、適切な判断をし続けること」だと考えているのですが、このプロセスにオンオフは関係なく、常にやっていないといけないこと。できるなら寝ている間の夢ですらインプットしていたいぐらいです。

休みを強いて定義するならば、「直接的に仕事と関係ないであろうインプットの時間」でしょうか。アートや音楽など、パーソナルに好きなものに触れている時間は確かに心が解放される気がしますね。


現在MCM Ginza HausのKoenig Galleryで開催中のAlicja Kwadeの個展「Petrichor」 (写真=山本憲資)

──コロナ前後で、その休みに変化はありましたか?

これまでは、時間を見つけては世界中の展覧会に足を運ぶなど、移動を伴うインプットにエネルギーを注いでいました。それがコロナによって海外に行くことが難しくなり、インプットよりも考える時間、深く思考する時間が増えた気がします。

休みの定義は曖昧とはいえ、これまではオフィスに出社している時間は明らかにオンの時間でした。それが、これを期にうちの会社もリモートワークを導入し、オンとオフの境界が今まで以上にファジーになった気がしています。ただ、組織としては今まで以上にうまく回っているので、僕自身はさらにストレスがなくなり、自分にしかできないアウトプットに集中できています。

“どこでも仕事ができる”という社会的コンセンサスが一気に醸成されたのは本当に大きな変化ですよね。対面の打ち合わせとか毎日の通勤とか、「当たり前だったけれど実はなくてもいいもの」から解放される精神的な自由は、多くの人が感じていることではないでしょうか。

編集=鈴木奈央

VOL.17

目立ってはいけない不自由な時代。「ソロキャ...

VOL.1

休暇は本当に必要か? 生産性との関係から考える

PICK UP

あなたにおすすめ