ビジネス

2020.08.31

現代アートに触れて「資本主義だけじゃない」世界を知る

2019年にロンドンのテート・モダンで開催された「Olafur Eliasson: In Real Life」(Getty Images)


──どのような作品やアーティストが好きですか?

同年代のアーティストが何を考えて何をやっているかには興味がありますね。作品としては、二面性のあるものが好きです。例えば今回ペインティングを購入した川内理香子さんの作品には、狂ったような繊細さと美しさが共存しているように感じました。単体で見るとわかりにくいですが、ギャラリーに作品が並んでいるとじわじわ感じるものがある。そういう感覚に触れられるのが展覧会のひとつの魅力ではないでしょうか。


MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERYで開催された 川内理香子「Myth & Body」にて(写真=山本憲資)

川内さんもそうでしたが、知らなかったアーティストにはグループ展で出会うことが多いです。好きなアーティストを目当てに行ったら、また新たに共感できるアーティストを知るという感じです。興味があるものばかり見るわけではないですが、僕の場合、好き嫌いより先に「理解したい」という気持ちが立つので、そこからも何かしら得るものがあります。

──そうしたインプットは、社員にも推奨しているのでしょうか?

僕自身は膨大な情報を収集することを少しも苦と思わないのですが、インプット能力に関しては当然個人差があるので、無論社員には強制はしていません。1日3食で生きている人に、1日10食を強いるのはそりゃ無理があるかなと。

ただ、組織としてのインプット能力は高めていった方がいいとは思っているので、うちの会社ではジャンルを問わず経費で本を購入できるようにしています。その制度で読んだ本に関しては一言でもいいので感想を社内にシェアするというルールですが、わりと活用されています。

──では最後に。そもそもあまり休まない、または休みたくないのだと思いますが、今後休みにおいてやりたいことなどありますか?

あちこちの展覧会に行って視覚的にインプットするのは、“暦上の休日”にしていたことですが、脳や心が刺激されるので「休まること」とは違うものかなと。その点、クラシックのコンサートは心を無心にできる「恍惚とした時間」を作ってくれるので、そういう時間を隙間隙間に持っていたいですね。


サマリー ファウンダー&CEO 山本憲資氏

また、しばらくはオンもオフも同じ場所になるので、その空間を徹底的に快適したいなと思っています。もう一つペインティングを購入したいなと思っているのと、ホームシアターも導入しようかなと。家で映像作品を観ると、すぐに寝たり飲んだりスマホをいじったりしてしまい、映画は映画館でしか観られない性質なのですが、集中できる環境を整えて自宅でも楽しめるようになりたいなと。自分の変化が楽しみです。

編集=鈴木奈央

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