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(C)Voyage

高齢者コミュニティに特化したロボットタクシーサービスを展開中のスタートアップ「Voyage」が、パンデミック後の乗客の安全を守るため、紫外線除菌システムを備えた自動運転車両を開発した。

同社がカリフォルニア洲サンノゼで導入した新型の自動運転車両「G3」は、自動車部品メーカーのGHSPが開発した紫外線照射システムUV-Cを備えている。

「顧客をどのようにして新型コロナウイルスから守るかを考えた時、思い浮かんだのが救急車で用いられている紫外線除菌システムだった」と、Voyageの共同創業者でCEOのオリバー・キャメロンはフォーブスの取材に話した。

同社が今回、提携先に選んだGHSPは、既に救急車向けに紫外線除菌システムを提供している。「当社の車両は、乗客が居ないメンテナンス時間中に、車内のUV-Cシステム用いて、シートやドアなどのインテリアに紫外線を照射し、新型コロナウイルスを含む細菌を完全に死滅させる」とキャメロンは語った。

他の様々な分野の企業と同様に、自動運転テクノロジーを手掛ける企業もパンデミックへの対応に追われている。アルファベット傘下のウェイモは、フェニックス郊外で実施していた地域住民向けのロボットタクシーのテストを一時中断しているが、AI(人工知能)を活用した自動運転のトライアルは継続中で、自動運転トラックや配送車両のテストを続けている。

Voyageの顧客向けのサービスも休止状態にあるが、同社はこの期間を利用して高齢者向けサービスの安全性を高めようとしている。

Voyageは、他の自動運転のスタートアップとは異なり、カリフォルニア洲やフロリダ州の高齢者コミュニティに特化した、ロボットタクシーによる送迎サービスを運営している。

このような閉じられたコミュニティは、車両の走行速度が比較的緩やかで、一般車両と遭遇する確率が低いため、自動運転の導入に適している。一方で、高齢者を相手としたサービスには、特別な配慮が求められる。

「高齢者の安全を維持しつつ、利便性の高いサービスを提供していくのが我々の任務だ」とキャメロンは話した。

紫外線は人体に有害なため、Voyageのエンジニアたちは車内のセンサーとカメラで乗客が居ないことを確認した後、紫外線の照射を行っている。同社はフィアット・クライスラーと提携を結び、今年からパシフィカ・ミニバンを改造した自動運転車両の導入を開始した。初期の段階で15台を投入した後、数百台規模に増やしていくという。

Voyageは、以前からエヌビディアやBlackberryなどの外部パートナーから調達したソフトウェアやセンサーを用いて自動運転車両を開発してきたが、今回のG3モデルはセンサーの調達価格を抑えたことで、大幅なコスト削減を実現できたという。

「ロボットタクシー事業の収益化に向けては、コストの削減が非常に重要な課題になる」とキャメロンは話した。

編集=上田裕資

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