トランプ娘婿の大統領顧問、アスリートの抗議行動への無理解が露呈

Photo by Tasos Katopodis/Getty Images

ドナルド・トランプ米大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナーは先ごろ、CNBCのインタビューで、米プロバスケットボール(NBA)の選手らが試合をボイコットしたことについて次のように発言した。

「NBAの選手たちはとても恵まれている。一晩働かなくても、それで金銭的な打撃を受けることはない」

彼らは社会の真の変化を目指しているというより、財政面において持つ特権を行使しているだけだという。だが、それは大富豪の一族出身であるクシュナーの大きな見当違いだ(フォーブスが2016年に行った調査では、クシュナー家の資産は15億ドル=約1600億円を超えると推計されている)。

クシュナーはまた、人種的不平等と黒人に対する警察の暴力の問題を解決するための方法について、トランプ大統領と建設的な話し合いをするつもりがないかレブロン・ジェームズ選手に尋ねてみるつもりだとして、こう述べている。

「私たちはこれをスローガンとメッセージから、問題の解決につながる実際の行動に変えるべきだ」

クシュナーは、ジェームズが投票妨害と闘うための団体、「More Than a Vote」を率いていることを知らないに違いない。ジェームズは2013年に最高裁が投票権法の条項の一部を無効とする判決を下したことを受け、この団体を設立。現在では全米にこの活動を広げている。

ジェームズはまた、出身地オハイオ州アクロンに公立学校「I Promise School」を設立。子供たちの教育を支援しているほか、自ら設立した「LeBron James Family Foundation」を通じて、同校の児童たちから大学生までの授業料を援助している──それでも、行動を起こしているとは言えないのだろうか?

アスリートたちが相次ぎ抗議


黒人男性ジョージ・フロイドが警察官に殺害された事件をきっかけに始まった抗議活動には、NBAのスター選手たちの多くが参加している。彼らは(新型コロナウイルスの感染拡大で中断されていた)今シーズンが再開された7月以降も、社会的公正の問題に関するそれぞれの考えを率直に語っている。

そして、ウィスコンシン州ケノーシャで8月23日、警察官が29歳の黒人男性、ジェイコブ・ブレイクの背中に向けて銃を7回発砲した事件を受け、彼らはさらなる行動を起こしている。
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編集=木内涼子

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