左:米澤徹哉、右:大山よしたか
世界に愛される会社にしていきたい
Triton Submarinesの提携を実現した後は資金調達からPR(パブリックリレーションズ)など、さまざまな活動に力を入れてきた。
「弊社の事業は世の中に自分たちが目指す世界観を伝えることが重要なので、これまではより多くの人にメッセージを届けるためにはどうしたら良いかを自社で模索しながらやってきました。ただ素人の発想ではなく、的確に戦略を立てて事業を世の中に広めていくべきという思いもあったんです」(米澤)
そうした中で、白羽の矢が立ったのがBOLDだった。米澤は「資金調達や事業開発もそうですし、何より事業に集中したいという思いがありました。PRやブランディングなどはコストがかかりますし、事業開発に必須なサービス設計もマンパワーも必要で、労力のかかる部分でした。そこを担っていただき、アドバイスや指摘も常にもらえる。デザイン経営と事業づくりは両輪だと考えていますので、自分の事業に集中している間に片方の車輪を動かしてもらえればいいと思った」という。
「OCEAN SPIRALの事業はとてもキャッチーなので、すでにインパクトはありますが、しっかりと経営者と討論しビジョンを再設定し、社会との接点を作っていくことで、今以上のインパクトを生み出すことができる。それは自分たちが得意としているところで、バーミキュラなどでは企業の存在意義を問い直し、商品のメリットを整理し、デザインによって具現化することで、愛されるブランドの構築をしてきました」(大山)
OCEAN SPIRALは過去に株式投資型クラウドファンディングサービス「FUNDINNO(ファンディーノ)」でプロジェクトを実施し、目標金額を最短の1分54秒で達成するなど、周囲からの期待も高まっている。現在は2022年のリリースに向け、鋭意開発を進めている。
「また、ノルウェーの船舶等の第三者認証機関DNV GLの認証も完成後に取得できますし、イギリスのロイズの保険も海中専用の保険があります。通常、海の中は自己責任であるという免責を書かされるのですが、弊社がリスクを負ってサービスを提供できるので、安全で安心であるところも弊社の強みです。日本ではJTBさんが連携企業に入っていただいていますし、周辺サービスの開発にもBOLDとダッグを組んで実現していければと思います」(米澤)
誰もが深海の世界へ容易に到達できるようにする──そんな未来を実現するにあたって、今後重要になっていくのが、社会から“愛されるストーリー”をつくることだ。
「変化し続ける社会とコミュニケーションを図り、ファンを増やしていくことが今後大事になってきます。海中旅行の実現が目の前に迫ってきていますので、その成長確率を上げていきたい。世の中に愛されるサービスにしていきたいですね。僕らはプロフェッショナル・ギルドという多視点で、鷹の目、虫の目、魚の目となり事業を革新的に推進していけます。企業の成長局面において、こういったデザイン駆動型のイノベーションや俯瞰から見たサービス設計は、今後、必要不可欠なものとなるでしょう」(大山)
BOLDとOCEAN SPIRALが手を組んで、実現を目指す「海の日常化」。BOLD流のデザイン経営によって、海に眠る莫大な潜在市場を掘り起こす──そんなワクワクする今後の取り組みに期待したい。