クアルコムがカリフォルニア大学サンディエゴ校に置くCenter for Data Driven Healthの研究員が実施した調査結果が8月24日、医学ジャーナルのJAMA Internal Medicineで公開された。
それによると、不安(anxiety)やパニック(panic)などのメンタルに絡むワードの検索回数は、3月13日から5日9日までの期間において、通常時よりも11%増えたことが確認された。不安に絡むワードの検索回数は合計で340万件に達し、通常時を約37万5000回上回っていた。
さらに米国における死者数がイタリアを上回ってから数日後の4月14日の、不安に絡むワードの検索回数は、トランプ政権が「社会的距離」戦略を導入した3月16日との比較で、17%増となっていた。
また、不安に絡む検索が最も増加したのは、米国での感染者数が中国を超えて世界最多となってから2日後の3月28日で、52%の急増となっていた。
その後、検索回数が初めて通常レベルに戻ったのは4月15日で、研究者らはこのタイミングで米国人が、パンデミック後の社会の混乱から立ち直り始めた、もしくは、彼らが検索から得られるものを十分に得たと考えている。
研究チームは、今回の調査が特定の出来事と検索の相関関係を明かすものではないもの、パンデミックが人々の心理に影響を与えたことを浮き彫りにしたと述べ、いくつかの対応を薦めている。
彼らはイリノイ州が立ち上げたCall4Calmと呼ばれる電話相談のホットラインを例にあげ、人々の不安を和らげるための取り組みが有効であると述べた。さらに、不安に絡むワードを検索する人を、このようなホットラインに導くことを薦めた。
米国疾病予防管理センター(CDC)も、パンデミックが人々の心理に与えた効果を研究し、8月14日に発表された調査結果では、今年6月に米国の成人の40%がメンタルヘルスの問題を抱えていた、もしくは薬物を乱用したとされた。