──もし新型コロナウイルスがなければ、行きたかった場所はありますか。
実は今年は海外展開をしたかったんですよね。スモールビジネスではありますが、日本以外の拠点で情報収集するためにも、この春にまずはアメリカで飲食店を開こうと思っていたんです。残念でしたが、物件探しをしている段階だったのでまだよかったです。コロナ禍がいつまで続くかわからないし、いまは必要ないと思っています。
それから台湾でビーチリゾートをつくりたいと思っていて、4月には台湾に視察に行く予定でした。エンタメもホテル業も商業的に一歩先を行っている、韓国にも行こうと思っていました。
ホテル事業としては、直営店は厳選して、私たちだからこそできる価値の提案をしていきたいと思います。
──最後に、お忙しい日々の中で現実逃避できる場所があれば教えてください。
私は、仕事が終わってからラクーア(東京ドームに併設されたスパを中心とした施設)で過ごすのが好きですね。サウナに入って整体やヘッドスパ、アカスリなど心置きなくできて、意外とリーズナブルなんです。日にもよりますが、一晩中ラクーアで過ごして、朝9時ごろまでいることもあります。
一日お出かけするという時間がなかなかないので、仕事が始まるまでリラックスもできるし、めっちゃ楽しめます(笑)。
友達と食事に行く時は一瞬でも楽しいですが、食後に近場のホテルに泊まって深夜までだらだらとしゃべることもあります。
コロナ禍で旅をすることに罪悪感や忌避感を持っている人もいますが、それは健全ではない環境だと思います。堂々と旅にいける環境になってほしいので、私はあえて積極的に発信していますね。
新型コロナウイルスの収束が見通せない中、ホテルやリゾートは感染症対策をしながら再開している。心置きなく楽しめる日が待ち遠しい(Unsplash)
龍崎翔子◎L&G GLOBAL BUSINESS, Inc.代表/ホテルプロデューサー。1996年生まれ。2015年にL&G社を設立。「ソーシャルホテル」をコンセプトに掲げ北海道・富良野の「petit-hotel #MELON 」や京都・東九条「HOTEL SHE, KYOTO」をプロデュース。2017年9月には大阪・弁天町でアナログカルチャーをモチーフにした「HOTEL SHE, OSAKA」を、2017年12月には湯河原でCHILLな温泉旅館「The Ryokan Tokyo YUGAWARA」を手がける。2018年5月に北海道・層雲峡で廃業した温泉旅館を再生した「HOTEL KUMOI」をオープン。