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2020.08.28

イーロン・マスク、あと12億ドルで「資産1000億ドル達成」へ

Photo by Yasin Ozturk/Anadolu Agency via Getty Images

イーロン・マスクはここ数カ月ほどの間に保有資産を急激に増やし、巨大なマイルストーンの達成に近づきつつある。テスラの株価は8月27日に3.75%高となり、彼の資産を約32億ドル分引き上げた。

マスクの保有資産は現在988億ドル(約10兆5490億円)とされており、あと12億ドルで1000億ドルに到達する。センティビリオネアと呼ばれる資産1000億ドル以上の富豪は現在、世界に4人存在するが、マスクはその5人目になろうとしている。

フォーブスのリアルタイムランキングでマスクは現在、マーク・ザッカーバーグに次ぐ世界5位の富豪で、彼の資産は「オマハの賢人」と呼ばれる6位のウォーレン・バフェットを上回っている。

マスクは、今年4月にフォーブスが公開した「世界の富豪ランキング」最新版では世界31位で、保有資産は246億ドルとされたが、それから4倍近く資産を増やした。

彼は時価総額4160億ドルのテスラの発行株式の21%を保有しているが、持ち株の半分以上を個人融資の担保としているため、フォーブスはそれを割り引いて彼の資産を算定している。

テスラは、8月28日の取引終了後に普通株1株を5株にする株式分割を行い、翌週月曜日の31日から調整後の株価での売買が始まる。テスラが8月11日に株式分割を発表して以降、株価は35%上昇した。

しかし、テスラ株の今後の見通しについて、アナリストの意見はまちまちだ。

バーンスタインは7月28日にテスラ株の格付けをアンダーパフォームに引き下げた。同社のアナリストのトニー・サコナギは、「テスラはEV(電気自動車)分野でアドバンテージを築いているものの、現状の株価を正当化することは難しい」と指摘した。

彼はさらに、トランプ大統領のTikTok禁止令に反発する中国政府が、テスラやその他の米国のテック企業に報復措置を行う可能性を指摘した。

一方で、Wedbushのアナリストであるダン・アイヴスは先日、テスラの目標株価を3500ドルに引き上げ、今後も上昇が続くと述べた。「我々は、テスラの未来は今後も明るいと考えている。テスラを嫌悪する人々が当惑して頭を掻くのをよそに、テスラ株は最高値を更新していくだろう」と、彼はブルームバーグの取材に述べた。

給与はゼロ、報酬はストックオプション


テスラの取締役会はマスクに一切、給与やボーナスを支払わない代わりに、同社の業績や株価が一定の基準を上回った場合、ストックオプションの形で彼に報酬を与えている。その結果、マスクは今年に入り2回ストックオプション付与され、その規模は合計64億ドル相当に達している。

テスラが今後も好調を維持した場合、彼は3回目のストックオプションを与えられる。その条件は、6カ月間の平均時価総額が2000億ドルを超え、年間550億ドル以上の売上を記録する、もしくは直近の4四半期の調整後EBITDAが45億ドル以上となることだ。

編集=上田裕資

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