ビジネス

2020.08.29

クラウドネイティブ時代を見据える企業「Sumo Logic」が上場へ

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クラウドマネジメントが重要になる


クラウド時代において、ITオペレーション管理(ITOM)のソフトウェアシステムには、オーケストレーションと可観測性(observability)が求められる。ログの自動分析を含むエンドツーエンドのデータ分析ソリューションに対する需要は高まっており、Sumo Logicは潜在市場規模を551億ドル(約5.9兆円)と推測している。

「市場規模の算出に当たっては、調査会社IDCのソフトウェアカテゴリを参考にした。オンプレミスとクラウドを問わず、“AIソフトウェアプラットフォーム”、“コンテンツ分析・検索ソフトウェア”、“エンドユーザー向けクエリー・レポーティング・分析ソフトウェア”などのカテゴリに所属する企業の2020年度の予想収益を合算して市場規模を推計した。我々のプラットフォームは、これらの市場の大部分に対応しており、今後はより多くのシェアを獲得していきたい」とSumo LogicはSECに提出した申請書の中で述べている。

Sumo Logicの競合には、「Splunk」や「AppDynamics」、「Datadog」、「New Relic」などが含まれる(New Relicは競合であると同時にパートナーでもある)。また、IBMやマイクロソフト、BMC Software、CA Technologiesなどの大手企業が関連ソリューションを提供している。

調査会社GigaOmでVPを務めるJon Collinsは次のように述べている。「Sumo Logicが成功するとは断言できないが、同社が将来性の高い領域に特化していることは間違いない。過去10年間のクラウド統合化の流れを見ると、エッジコンピューティングからマルチクラウド・アーキテクチャやコンテナ化アプリケーションまで、再分散の波が押し寄せている。

データを有効に活用するためには、幅広いソースからテレメトリーをはじめとするデータを収集して管理しなければならず、業務が複雑化している。1つの企業がソリューションを独占することはなく、セキュリティ・アナリティクスやAIOps(Artificial intelligence for IT Operations)など幅広い分野でデータを活用するための様々なソリューションにチャンスがある」

Sumo Logicの売り出し株数やIPO価格のレンジはまだ決まっていない。同社は、ナスダックの「グローバル・セレクト・マーケット」に上場し、ティッカーシンボルは「SUMO」になる予定だ。SUMOという名前は、相撲を連想させるが、同社が業界において力士のような大きな存在になれるかどうかは、顧客基盤の大きさによるだろう。

編集=上田裕資

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