ダブリンに本拠を置くBuymieは先日、初めて英国に進出しブリストルでサービスを開始したが、アイルランド第2の都市であるコークにも拠点を広げ、新たに8万6000世帯をターゲットにしようとしている。
同社のCEOのDevan Hughesは「Buymieのサービスは現在、アイルランドと英国の75万世帯にリーチし、約200万人を潜在的な顧客としている」と述べた。「新型コロナウイルスのパンデミック後の新たな現実に直面する消費者に、当日配送の生鮮食品のデリバリーサービスを届けていきたい」と彼は続けた。
Buymieはドイツのスーパーマーケット大手のLidlなどとも提携を結び、事業を拡大させている。コークへの進出にあたり同社は、買い物を行いデリバリーを行う50人のショッパーを新たに採用した。パンデミックを追い風に、フードデリバリーの需要は急拡大し、大手企業とスタートアップの双方がこの分野に参入している。
Buymieの今年上半期の売上は前年同期比で325%増加したという。同社の成長を後押ししたのはパンデミックだが、厳しいロックダウンが解除された現在も売上は好調で、投資家も今後の事業拡大に自信を深めている。
BuymieはこれまでアイルランドのWheatsheaf Groupや、英国の第7代ウェストミンスター公爵のヒュー・グローヴナーが設立したテック系投資ファンドから資金を調達している。初めての海外市場である英国進出を果たした同社は、今後さらに市場を拡大していく計画だ。
今年5月にBuymieは、英国のCo-opと提携を結びブリストルで事業を開始していた。
欧州のフードデリバリー分野では、英国のオンラインスーパー大手のOcadoが一定のシェアを確立した一方で、Deliverooのような有名スタートアップも進出し、15分以内の配達をアピールするロンドンのWeezyなどの新興企業も生まれている。