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2020.09.13

父が娘に贈る「お金がどんどん増える」考え方

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ここで知っていてほしいのは、VTSAXが株式市場全体を対象とするインデックスファンドであり、市場全体の平均利回り8~12%を反映していることです。だから、市場を代表する形で機会損失の具体的な数字を教えてくれます。

控えめに8%の利回りとしましょう。2万ドルを利回り8%で運用すれば、1600ドルの利息が得られます。つまり、2万ドルで車を買ってしまうと、実は2万1600ドルを失っているのです。

最初の2万ドルと、それが生み出すはずだった1600ドルの合計です。

これは1年目だけの話で、この機会損失は毎年上乗せされます。10年間で考えると、1600ドル×10年で1万6000ドル、最初の2万ドルと合わせると3万6000ドルになります。

ここまではすぐにおわかりでしょう。ところが、毎年得られる1600ドルは、それがまた利息を生む原資になります。これはまだ計算に入れていません。この二次的な利息がさらに利息を生み出すことを考えると……。

もう十分にがっかりされているのではないでしょうか。2万ドルを失い、それが毎年生み出す1600ドルを失い、その1600ドルが生み出す利益も失います。そのすべてが、あの車を買った結果なのです。

「複利の魔術」について、まだお聞きになったことがないかもしれません。蓄えたお金は利息を生み、その利息がまた利息を生むのです。年を追うごとに投資額は雪だるまのように膨らんでいきます。

最初は小さくても、転がり始めると、ものすごいスピードで大きくなります。雪だるま効果はたいしたものです。

“できの悪い雪だるまの双子”が機会損失だと考えましょう。経済的に自立していることがすばらしいのは、複利で投資できる資金を持っているからです。お金を使うことによる機会損失よりも、雪だるまのほうが大きいのです。

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*ジェイエル・コリンズ著、小野一郎訳『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』からの抜粋

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