選挙活動で「稼ぐ」トランプ、就任以降に陣営から7億円超を受領

Photo by Sandy Huffaker/Getty Images

ドナルド・トランプ米大統領が所有(または関与)する複数の企業は、引き続き大統領の再選に向けた選挙活動から多額の収入を得ている。トランプの選挙陣営の活動に必要な(事務所などの)賃料や食事代、宿泊費、その他の費用が、非公開企業であるトランプ所有の複数の企業に支払われている。

トランプ陣営が連邦選挙委員会(FEC)に先ごろ提出した書類で明らかになったのは、米国史上最も裕福な大統領は再選に向けた自身の選挙活動にまったく自費を投じておらず、多くの人たちから寄せられた230万ドル(約2億4400万円)近くの献金を、自身の企業の売り上げに変えているということだ。

たとえば、ニューヨークの5番街に所有する超高層ビルを管理しているトランプの合同会社(LLC)、トランプ・タワー・コマーシャルは今年7月、3万8000ドルの家賃収入を得ていた。

トランプが大統領に就任して以来、陣営が同社に支払った金額は、およそ150万ドル。共和党全国委員会(RNC)もまた、陣営を通じてトランプ・タワー・コマーシャルに約22万5000ドルを支払っている。

そのほか陣営は7月、管理会社のトランプ・コーポレーションにも8000ドル以上を払った。だが、これがどのような名目で支払われたものか、詳細は不明だ。書類には「法務・ITコンサルティング業務」に対する支払いと記載されているが、同社は管理会社だ。トランプ・コーポレーションがトランプの就任以来、陣営から受け取った金額は合わせて約28万1000ドルとなっている。

大統領が所有するもう1社、トランプ・レストランツ LLCにも、多額が支払われている。これは、トランプ・タワーの地下に出店しているキオスクで、トランプの選挙関連のグッズが販売されていることと関連しているとみられる。

新型コロナウイルスのパンデミックが収束しないなか、キオスクの売上高がそれほど伸びているとは考えにくいが、それでも陣営は毎月3000ドルの賃料を、同社に支払い続けている。トランプ就任以降の陣営からの支払い総額は、およそ11万7000ドルに上る。
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編集=木内涼子

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