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米国では今年3月以降に2万6000軒以上のレストランが営業を停止したが、DoorDashやGrubhubなどのフードデリバリーサービスの需要は急拡大している。

そんな中、移民のシェフたちが自国の家庭料理をシェアするマーケットプレイスの「Shef」が米国で人気となっている。サンフランシスコ本拠のShefは8月20日、YコンビネータやCraft Venturesらが参加したラウンドで880万ドル(約9億3300万円)を調達し、事業を拡大すると宣言した。

同社の資金調達にはTaskRabbitのCEOのStacy Brown-Philpotや、インスタカートの共同創業者のMax MullenとBrandon Leonardoらも参加した。

Shefの共同CEOを務めるAlvin SalehiとJoey Grassiaは、2018年のフォーブスの「30アンダー30サミット」で知り合った。Salehiはオバマ政権時代にホワイトハウスで「Code.gov」と呼ばれる組織を立ち上げて評価された。

また、Grassiaはフェイスブックに務めていた2011年にKutoa Health Barsという食品関連の企業を立ち上げて、30アンダー30に選ばれていた。

Salehiの両親はイランから、Grassiaの両親はイタリアから米国に移住してきたため、二人は移民の子供として育った経験を共有し、移民たちを助けるためのビジネスを考えた。

「私の両親はイラン革命の頃にイランから脱出した。何も持たず、英語も話せなかったので、かなり苦しい時期を過ごしたが、資金を貯めてレストランを立ち上げて、暮らしを安定させた」とSalehiは語る。

Shefのプラットフォームに参加するシェフは、米国の州ごとに異なる食品安全法の基準をクリアしており、上海料理やバングラデシュ料理、モルディブ料理など、個性豊かな料理を提供している。同社によると一部のシェフは週平均で1000ドルを稼ぐという。

創業者たちは、今回のような多額の資金調達を予定していなかったが、パンデミックが外食産業に打撃を与えたことで、Shefの成長ポテンシャルは高まった。ここ最近はレストランを解雇された料理人からの申請も相次ぎ、現在は4000人が審査待ちの状況だ。

Shefは現在、カリフォルニアとニューヨークの一部の地域のみで事業を展開している。同社の事業は、個人が自宅で調理したメニューを宅配することを制限する法規制に直面している。昨年、カリフォルニア州は、これを完全に合法化し、「マイクロエンタープライズ・ホーム・キッチン」を認可する最初の州となった。

ただし、個別のマイクロエンタープライズは厳しいガイドラインに従わなければならず、週に60食以下の販売のみが認められている。元政府職員であるSalehiは、この規制の緩和を目指し行政に働きかけている。

編集=上田裕資

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