「仕事はライフスタイルから生まれる」 経営者が海の側に暮らす理由

Photo by Yuya Inamoto


──トライアスロンの他に自分が大切にしている、そして自分を豊かにしてくれるものはありますか?

僕にとって大切なものは「旅」で、これから先もずっと「旅するような人生」をつくっていきたいと思っています。そして次に大切なのは「誰と」いう問いかけで、お酒を飲むとき、スポーツをするとき、そして旅をするとき、誰と一緒に時間を過ごすのかが一番大切です。僕は旅を通して人生を築いているのだと思っています。

──誰にとっても自由に生きることは理想ですよね。ただ、それを実現するのはなかなか大変なように思えます。稲本さんや「自由を楽しむ仲間たち」に共通点はありますか?

「何か」や「誰か」と比べないようにすること。そして、それぞれが、それぞれをリスペクトし合うこと。何よりも一番大切なことは、周囲の思惑に左右されずに「自分に何ができるのか」「自分が何をしたいのか」を知る努力をすることではないかなと思います。そして、そういうマインドで毎日を生きていると、自然の流れの中で自由な生き方を選択する道が見えてくるのだと思う。

──これからのビジネスビジョンについてはどう考えていますか?

まずは生きる場所を選び、そして、そこから自分にとって必要なものは何かを考えて生活することをビジネスとして提案して行きたい。


Photo by Yuya Inamoto

──ライフスタイルはこの2〜3年で変わると思いますか?

全ての人たちが自然回帰するわけではない。たとえば、リモート化すると、丸の内に今あるオフィスはいらなくなりますよね。もしかすると、丸の内近辺がレジデンス化する可能性もあるし、そうなると人が都会に戻って来ることになる。たとえば、ニューヨークは住んで、働いて、レストランがあってというような街で、人がいてこそはじめて「街」と言える。それがこれからの街の基本なのではないかと思うんです。そんなことを毎日考えていると、クリエイティブな心をくすぐられて、とても楽しくなってきます。

──最後に、稲本さんにとっての休みとは?

大切な人と一緒にいる時間。

──大切な人に求めることがあるとすれば、それは何でしょう?

感性を共有すること。そういう視点で、自分が大切に思う人と一緒に時間を過ごしていると、改めて自分を見直す機会ができてくるんです。


稲本健一◎株式会社ゼットン創業者。株式会社DDホールディングス取締役兼海外統括CCO。2017年ゼットン会長職を退任後、DDホールディングス全グループ会社の海外統括担当として同社の海外事業展開の全指揮をとる。ハワイでは「ALOHA TABLE」「Goofy Café & Dine」「HEAVENLY Island Lifestyle」を立ち上げ、2018年5月にはワイキキに和食レストラン&バー「ZIGU」をオープンし、話題となる。トライアスロン、サーフィン、スキーをこよなく愛するマルチアスリートで、その活動は飲食業界の枠を超えて、スポーツ界やファッション界にも影響を与えている。

文=賀陽輝代 構成=谷本有香

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