賃貸市場の最大の難問に挑むフィンテック企業


ネストエッグは、今回のメンテナンス管理ツールだけでなく、不動産管理ツールや家賃徴収ツールについても、同じ考え方を採用している。たとえば、同社の家賃前払いプログラムは、家賃相当額を決まった期日に家主の口座に入金したあとで、支払いが遅れている入居者に対応する仕組みだ。

「一般的に言えば、(家族経営カテゴリーの)家主の目標は、不動産を通じてある種の経済的自立を手に入れることだ」と、フレッチャーは言う。「だが多くの場合、その過程のどこかで行きづまってしまう。家主が行きづまる原因は、キャッシュフローの問題と、時間をとられることにある。これら2つの問題を、ネストエッグは解決する」

ネストエッグは2018年に、フレッチャーと、共に旅行サイト「エクスペディア(Expedia)」で働いていた共同創業者のジェフ・スリプコ(Jeff Slipko)が立ち上げた会社だ。同社が生まれたのは、小規模家主だったふたりが、自分たちの必要とするソリューションを見つけられなかったことがきっかけだった。

「現在の市場に出ているものを、残らず試してみた」と、フレッチャーは言う。「だが、独立系の家主が非常に困るいくつかの問題に関して、本当に役に立つと思えるものは見つけられなかった」

そうした問題の例としては、予想よりも変動しやすい家賃所得、膨大な拘束時間、大規模な不動産オーナーからの価格圧力などがあるとフレッチャーは話す。

「物件の宣伝や、問い合わせへの対応、入居候補者の審査に役立つ独立系家主向けアプリは数多くある」と、フレッチャーは言う。「だが、支払いが始まったり、シンクの下で水漏れがするようになったりした途端に、小規模家主は自分以外の誰にも頼れなくなる。そうした問題を解決できないのなら、(小規模家主という)セグメントを、有意義なやり方で、本当の意味で助けているとは言えないのだ」

翻訳=梅田智世/ガリレオ

PICK UP

あなたにおすすめ