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ピーター・ティール(Photo by John Lamparski/Getty Images)

ピーター・ティールが共同創業した秘密主義で知られるビッグデータ企業「パランティア(Palantir)」が8月25日、上場申請書類を提出した。軍事産業や諜報機関と深いつながりを持つ同社はこれまで財務情報や、オペレーションの内容を開示してこなかったが、申請書類からその一端が見えてきた。

パランティアのIPOは今年最も注目される上場案件の1つとされている。同社の2019年の売上は前年比25%増の7億4260万ドルで、純損失は前年度の5億8000万ドルをわずかに下回る5億7960万ドル(約617億円)だった。

パランティアは、ティッカーシンボル「PLTR」でニューヨーク証券取引所に直接上場を行う。創業17年の同社は、これまで一度も黒字化を達成しておらず、今後も赤字が続く見通しだ。「当社は今後もコストの増大を見込んでおり、この先も黒字化を実現できない可能性がある」とパランティアは目論見書で述べている。

同社は2つのソフトウェアプラットフォームを運営しており、その1つは政府機関向けで、もう1つは企業向けだ。ただし、パランティアは同社の基準に合致する相手だけにテクノロジーを提供しており、上場書類には「当社のミッションを共有できない相手とは業務を行わない」と記載されている。パランティアは西側のリベラルな民主主義国家とその同盟国をサポートしていくと述べている。

同社のソフトウェアは、36の業種の企業及び150カ国以上の国々で活用されているが、中国はそこに含まれていない。それは、パランティアが米国とその同盟国の諜報活動と防衛を中心に置いているからだという。

米国のCIAの支援を受けるパランティアは、秘密主義と政府との深いつながりで知られ、反テロ活動を行うことでも有名だ。同社は昨年、米国移民税関執行局(ICE)による移民の監視活動を支援しているとして、一部から強い批判を浴びていた。

シリコンバレーでは稀な「トランプ寄り」企業


パランティアCEOのアレックス・カープは、その他のシリコンバレー企業から距離を置いている。彼は上場申請書類において、同社に向けられる批判に反論し、彼らが政府機関を支援するのは、人々の安全を維持するためだと主張した。さらに、同社以外のテクノロジー企業が、個人データの外販を収益源としていると非難した。

「当社のソフトウェアはテロリストを発見し、兵士の安全を高めるために用いられている」と、カープは述べた。

2003年に設立されたパランティアの社名の由来は、「指輪物語」に登場する何でも見通すことができる水晶玉だとされている。

フェイスブックの初期投資家としても知られるティールは、自身が保有していたフェイスブックの株式の大半を既に売却したが、今でも同社の取締役会に籍を置いている。

シリコンバレーでは非常に稀なトランプ支持者であるティールは、2016年の米大統領選に向けた共和党全国大会でスピーチを行い、自らがゲイであることを宣言した後に、ドナルド・トランプへの投票を呼びかけていた。

フォーブスはティールの保有資産を21億ドルと試算している。

編集=上田裕資

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