米歌手Akon、故郷セネガルで「暗号通貨都市」建設に着手

Richard Bord/Getty Images for Cannes Lions

米R&Bシンガーで、幼少期をセネガルで過ごしたAkon(エイコン)が、Akon City(エイコンシティ)という名の「仮想通貨を基盤とした先進都市」の構築を目指している。

2020年6月には投資家たちから40億ドルの資金を確保し、セネガルに建設する準備は整った。エイコンシティは、仮想通貨「Akoin(エイコイン)」だけが使える都市で、公園や大学、学校、スタジアムやホテルなどが含まれる予定だ。セネガル政府から無償提供された土地に建設され、そこではAkoinが事実上の通貨となる。仮想通貨は、アフリカ諸国が抱える経済問題を克服へと導くツールになるだろうか。

背景


Akoinは、世界的に取引されている約1600種類の仮想通貨のひとつだ。仮想通貨情報サイトCoinMarketCapのデータによると、仮想通貨市場の時価総額は2670億ドルを超えている。

Akoinが初めて発行されたのは2018年。ニュースサイト「CultureBanx」によると、Akon率いるチームが計画しているのは、Akoinを中心にした完全なエコシステムの構築で、都市の建設に加えて、若手起業家の支援も行う。

Akoinについて、公式ウェブサイトでは次のように説明されている。「Akoinは、アフリカをはじめとする急成長中の経済圏において、つながり合いながら活動する起業家や経営者、社会活動家たちの夢を後押しするツールやサービスのマーケットプレイスを原動力とする仮想通貨だ」

アフリカでは、人口の60%以上が25歳未満で、銀行口座を持たず、送金なども含めて何をするにも携帯電話に大きく依存している。それはつまり、Akoinはアフリカ大陸全体で大きく成長を遂げる可能性を秘めているという意味だ。世界の経済成長率トップ10か国のうち、6か国はアフリカ諸国だ。世界経済フォーラムによると、アフリカでは2034年に生産年齢人口が世界最大の11億人に上る見込みだ。さらに、アフリカ大陸の消費支出は2025年に2兆ドルに達すると予測している。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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