ビジネス

2020.08.27

日本ならではの3つの戦略 フェイスブック ジャパン新代表の決意

フェイスブック ジャパン 代表取締役 味澤将宏

日本マイクロソフトやTwitter Japanでのキャリアを経て、 2020年1月に「フェイスブック ジャパン」代表取締役に就任した味澤将宏。

就任直後から新型コロナウイルスが猛威を振るい、世界は大きく変化した。刻々と状況が変化する中で改めて立て直したという、フェイスブック、インスタグラム、そしてVRの、日本ならではの今後の戦略を聞いた。


新機能ローンチの狙い


各国のフェイスブックオフィスで在宅勤務を実践するなど、新型コロナウイルスの影響を受けて、働き方はもちろん様々な変化がありました。そんな中で、フェイスブック ジャパンとしては、3つのキーワードが今後の戦略としての軸になりました。

まず、人と人とのつながりを支援することで、社会と経済へ貢献をする「ソーシャルインパクト」です。具体的には、中小ビジネスを中心に経済的な回復と持続をサポートします。

業界として一番大きなダメージを受けていた飲食業界の支援のためにまず取り組んだのが、インスタグラムで飲食店を支援する「料理を注文」機能のローンチです。これは、飲食店側がインスタグラムで料理を注文のスタンプを投稿したり、ホーム画面にアクションボタンを設置したりすることで、利用者は簡単に料理の注文ができるというものです。

グローバルで開発した機能ではありますが、コロナ禍で多くの飲食店が打撃を受けた非常に早いタイミングで、日本はアメリカ、カナダに次いで「Uber Eats」のようなフードデリバリーなどのパートナー企業との提携を進めてきました。

現在でも、この機能を活用してくれている飲食店の数は増えています。中には、フードデリバリーの40パーセント以上が「料理を注文」機能を通じて受注しているというお店もあり、多くの方々に活用をしてもらっている実感があります。元々、数多くの中小ビジネスや飲食店にインスタグラムのビジネスアカウントを使ってもらっていたので、タイミングもニーズも非常に合っていたのでしょう。

一方、「料理を注文」機能などの新しい機能は、「SNSに精通している飲食店しか使いこなせていないのでは」という意見もあります。確かに今年は新しい機能を立て続けにローンチしてきました。

2月中旬から国内でも感染者が増加し、4月には緊急事態宣言が発令されるなど、刻一刻と状況が変わる中で、全世界のエンジニアやプロダクトエンジニアたちの、新しいものを作り出そうというマインドの強さやスピード感は、とても頼もしく感じていました。

しかし、こうして開発した機能は、実際に人に活用してもらわないと意味がありません。6月から、インスタグラムのビジネスアカウントの作り方から、写真の投稿の方法、無料のマーケティング機能の使い方をまとめたウェビナーを開始しました。そこで、中小ビジネスへはベーシックなところからの支援が重要であることに改めて気づかされましたね。
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写真=小田駿一 構成=守屋美佳

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