そんな中、消費者に寄り添った企業は、「売るため」ではなく「つながり続けるため」にメールを出し続けた。
マリオット・インターナショナルから今春届いたメール。ホテルの窓に「愛のシンボル」と「希望のメッセージ」を示した画像が添えられていた
例えば、ホテル運営のマリオット・インターナショナルは今春、複数回にわたり社長名で顧客にメールを配信した。宿泊キャンセルに柔軟に応じることに加えて、医療従事者のためにマスクや清掃用品を提供したこと、未使用の食品を慈善団体に寄付したことを説明。「パンデミックとの戦いを支援している」とつづっている。
マリオット・インターナショナルのメール本文の最後には、社長のサインが記載されていた
本文の最後には社長の手書きサインが記されており、非常に温かみを感じる、まさにヒューマンタッチなこのメール。筆者は一読した後、「北米に渡航できるようになったらマリオットに宿泊しよう」と思わず心の中で誓った。
先述のカンファレンスにおいて、「人間とAIが手を組んでメールマーケティングのROI(投資利益率)を伸ばす方法」と題したセッションがあった。その中で、人間味の要素として「創造性」「共感」「即興」「社会知能、感情知能」というキーワードが紹介された。
これらのキーワードをまとめると、世の中の空気を慎重に読み、顧客に寄り添った、オリジナリティのあるコンテンツを作るといったところだろうか。新型コロナに自然災害。世界中が混とんとしているが、人間味を意識した情報発信で、切り抜けていきたいところだ。
連載:世界を歩いて見つけたマーケティングのヒント
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