そもそも、なぜ日本人はわざわざ施術を受けるために海を渡るのだろうか。今回は、両国の整形に対する意識を分析し、「渡韓整形」が流行した理由を考察したい。
韓国では著名人も整形を公言していることが多い。「愛の不時着」で注目の的である女優ソン・イェジンも「美容クリニックや整形外科に通うことは美しさをキープするための努力だ」と、美容クリニックに通っているのを話している。日本でも最近では、タレントの有村藍里や「ゆうこす」として知られる菅本裕子が整形を公表して話題となったが、著名人に対しても「整形疑惑」などネガティブかつセンセーショナルに取り上げられやすい環境がある。
今年3月には韓国の整形口コミアプリ「カンナムオンニ」が日本上陸を果たした。アプリの累積ダウンロード回数は180万で、韓国内の1500以上のクリニックの情報を掲載している。このアプリの充実ぶりや利用者の活発なやりとりを見るだけでも、いかに韓国が整形に対して積極的かがわかる。
このような日韓の美容に対する価値観の違いから、韓国の美容に対する自由な価値観に憧れや共感を持ち、さらにはや心の拠り所としている日本の女性が増えているのではないだろうか。さらには韓国の美容は、いまや世界中から注目されるまでになった。その背景を探りたい。
日本人を韓国に引き寄せるのは「安価な整形費」
まずは、みなさんは整形と言われると、どの程度の価格を想像するだろうか。まず目の二重手術にかかる費用をイメージをして読み進めていただきたい。
湘南美容クリニックによると、日本の場合二重手術(切開法)の費用相場は20~30万円程度、それに対して韓国の場合は、医療機関の情報サイトMoDooDocによると平均15万円にも満たない。渡航費や宿泊費を併せても、クリニック次第で安価な施術を受けられる。
実際に、韓国で施術を複数回受けた20代前半の女性に話を聞いてみた。なぜ、日本ではなく韓国での整形を選んだのだろうか。
「日本の整形外科を何度も下調べしたが、価格は韓国の方が圧倒的に安い。自分がいつも通っている韓国のクリニックには日本語を話せる人がいるから、施術の際の言語による行き違いの心配はなかった。自身の場合、注射など、切開を伴わない施術だったからそう感じたのかもしれない。今後も慎重に判断したい」
また、彼女もTwitterを参考に、韓国の整形事情やレビューを調べたそうだ。男女問わず、想像以上に多くの日本人が「渡韓整形」を経験していることに、驚いたという。整形を考える人の多くは、その価格から韓国に惹きつけられるそうだ。