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グーグルやアマゾンのようなテック大手が、AI(人工知能)の広範囲な利用を開始した時代にあっても、多くの企業では、データはサイロ化されたままで、十分に活用されていない。

データサイエンスのスタートアップ企業「Dataiku」は、小売や金融系の企業らがデータを活用するためのツールを提供している。「今から10年後にはスプレッドシートを使うことは無くなるだろう」と、DataikuのCEOのFlorian Douetteauは話す。

ニューヨーク本拠のDataikuは8月24日、ニューヨークのベンチャー・キャピタルのStripesとTiger Global Managementが主導したシリーズDラウンドで、1億ドル(約106億円)を調達したことをアナウンスした。同社は昨年12月にアルファベットの投資部門であるCapitalGから出資を受け、企業価値は14億ドルに達したと報じられたが、今回の評価額は明らかにされていない。

「Dataikuは企業のAI活用を推進していく。企業内の誰もがデータを処理したり、データから何かを導き出すことを可能にする」と、Douetteauは語った。

Dataikuは2013年にDouetteauと、3人のフランス人(Marc BattyとClément Stenac、Thomas Cabrol)らによって設立された。同社のプラットフォームは、データサイエンティストやその他の従業員が非構造化データを簡単に利用できるようにし、データのスクラビングや整理、分析などの作業を、異なるチーム間でコラボしながら進めていける。

「企業で働く人々が自分でソリューションを開発せずに、豊かなデータ活用を行えるツールを提供していきたい。私たちフランス人は怠け者なので、最低限の仕事しかしたくないのだ」とDouetteauは話した。

Dataikuは300社以上の企業顧客を抱え、ゼネラル・エレクトリックやモルガン・スタンレー、ファイザーなども活用中だ。リーバイスは同社のソフトウェアを、顧客のレコメンドに利用している。また、メルセデス・ベンツは業績予測に利用している。

フォーブスの「AI 50」や「クラウド100」に選出されたDataikuは、この分野で厳しい競争に直面している。同じくAI 50に選ばれた「DataRobot」や「Domino Data Lab」を含むスタートアップや、AlteryxやTibco Softwareなどの老舗企業が競合にあげられる。

この分野では、特定の業界の特定のニーズ向けのソリューションを打ち出す企業も多いが、Dataikuはそれとは逆のアプローチをとり、多様なニーズに応えることで、パンデミック後の需要を伸ばしてきた。

企業のソリューション構築を支援


同社は今年、100人以上の従業員を新規で採用し、石油サービス大手のシュルンベルジェを含む、数十社を新たに顧客リストに加えた。

同社の既存出資元としては、Battery VenturesやDawn Capital、FirstMark Capital、Iconiq Capitalなどがあげられる。「新たに調達した資金を、持続的な成長のために注いでいく。他社の買収は必要としていない」と、Dataikuの最高顧客責任者のKurt Muehmelは話した。

「私たちの仕事は、企業が抱える個別の課題のソリューションを提供していくことではない。それよりも、1つ上のレベルのメタ問題の解決を支援し、企業が自分たちでソリューションを構築することを助けていく」と彼は続けた。

編集=上田裕資

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