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米商務省も、こうした事態を警戒している。

ウィルバー・ロス商務長官は8月17日に声明を発表し、「ファーウェイとその関連会社は、第三者を通じて米国のテクノロジーを利用し、米国の国家安全保障と外交上の利益を損なっている」と述べた。さらに、ファーウェイの子会社をリストに追加したことについて、「今回の多面的な行動は、(米国の利益を損なう)ファーウェイの能力を阻害するために継続的に実施している対策の一環だ」と説明した。

今回エンティティ・リストに追加されたのは、中国、アルゼンチン、ブラジル、チリ、エジプト、フランス、ドイツ、インド、メキシコ、オランダ、ペルー、ロシア、南アフリカ、スイス、タイ、トルコ、アラブ首長国連邦、英国に拠点を置くファーウェイの子会社だ。

根強い中国への怒り


以前から険悪だった米中関係は、新型コロナウイルスの大流行によってさらに悪化した。

ウィリアム・バー司法長官は8月13日、アップルを例にあげ、米国のテック企業は米国政府を批判し、(ある基準では)不公正に扱いながら、中国政府に対しては恭順と敬意を示す「ダブルスタンダード」状態にあると批判した。

長官はミシガン州で行った演説のなかで、中国の利益を擁護する米国のビジネスリーダーたちは、外国代理人登録法に抵触する可能性があるとほのめかした。この法律は、外国勢力の利益のためにロビー活動をおこなう企業を規制するものだ。また、アップルについて、中国共産党の方針に忠実に従う一方で、米国の方針の一部を無視していると批判した。

米ニュースメデイアのポリティコ(Politico)は、中国のアップルストアから、プライバシーアプリやニュースアプリ「Quartz」が削除された事実を指摘した(Quartzは、香港抗議デモの報道姿勢に中国政府が不満を訴えていたニュースアプリで、日本企業ユーザベースが所有している)。

また、アップルはiCloudデータの一部を中国にあるサーバーに移転したが、このデータは現地の中国人のものであり、米国人のものではないかもしれない。

バー司法長官が言及した「ダブルスタンダード」は、おもに法執行の問題に関するものだ。長官は、「アップルが中国で販売するスマートフォンは、中国当局による管理と無縁だとあなたは思うだろうか?」と問いかけた。

「もし中国当局の管理を受けていないのなら、販売はできないはずだ。われわれ米国政府が(テック企業に対して)求めてきたのは、裁判所命令がある場合に、携帯電話に保存された個人のデータにアクセスできるようにすることだけだ(が、それでもかなりの批判を受けてきた)。米国のテック各社には、こうしたダブルスタンダードが生まれつつある」

翻訳=的場知之/ガリレオ

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