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2020.08.24

処方薬も30分でお届け 米ウーバー、スタートアップと組み新サービス

Getty Images

ライドシェア大手のウーバーは、オンデマンドの処方箋配達サービスを手がける米スタートアップのNimbleRxと組み、医薬品配達サービスに参入した。シアトルとダラスで協業を開始し、今後数カ月で米国内のほかの都市にも広げていく方針だ。

両社が20日発表した。提携の金銭面の条件は公表されていない。NimbleRxはウーバーとの協業について、これまで自社で34州の薬局計700カ所と提携していることを考えれば、成長する力があると述べている。

NimbleRxの現在の顧客は10〜20店舗の薬局チェーンが多い。ウーバーとの提携を通じて、規模がもっと大きいチェーンを引き寄せたり、薬局網を拡大したりできそうだ。NimbleRxの現在の年間売上高はおよそ5億ドル(約530億円)となっている。

ウーバーや競合のリフトといったライドシェア各社は、成長著しいヘルスケア事業にさまざまなやり方で進出しようとしている。これまでに、医療機関などと連携して患者が予約通り診察できるようにするサービスに乗り出したり、保険会社などと提携して緊急でない患者の輸送に関する契約を結んだりしている。

ウーバー・ヘルスを率いるダン・トリガブはインタビューで「わたしたちはたんに人を輸送するだけではなく、処方薬を自宅まで届けることもできる。薬局が利用できる、そのクラス最高のソリューションを統合していくとともに、薬局側に対して、処方薬を配達する機会を提供していく」と語っている。

米国の薬局業界では、2年前にアマゾンがオンライン薬局のピルパックを買収して以降、大手ドラッグストアチェーンのCVSヘルスやウォルグリーン・ブーツ・アライアンスも処方薬の自宅配達分野への投資を増やしている。

調査によれば、米国では処方薬の4回に1回は薬局で予定通りに受け取られておらず、指示通り薬が服用されていない割合はそれ以上に高い。そのため、業界は処方薬の新たな配達方法を生み出すことで、服薬の順守状況の改善にもつなげたい考えだ。
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編集=江戸伸禎

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