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2020.08.23 11:30

スバルの革命、まったく新しくなったレヴォーグの走りこそ本物!


レヴォーグのプロトタイプに試乗してみたけど、その新しいサスペンションとステアリングのおかげで、車両は急な荷重移動が必要な高速コーナリングでのふらつきはなくなった。ステアリングもより正確に早く切れて、同時にボーディロールは抑え、後輪の安定性がよくてピクッとしないので、ドライバーに安心感を与える。

レヴォーグのスラローム走行

試乗会場では、旧型と新型の比較テストができたけど、60km/hのスラーロムでは、新型の方が圧倒的に安定性が優れていて、しかも、長いコーナーでは旧型よりもロールもなく、新型は10km/h以上速く回れたことに驚いた。

インテリアも見事に一新した。上質感と快適性を追求したというキャビンは、カーナビの地図や運転支援システムの情報が表示できる12.3インチのフル液晶メーターや、縦型の11.6インチのセンター・インフォメーションディスプレイなどが思い切りフレッシュで高級な味を出している。特に、ボルドーとブラックの本革シートが付いた「STI Sport EX」仕様は、ドイツ車様のテイストと高級な香りがした。

レヴォーグの車内

でも、今回これだけの技術が一新しているとは言え、やはり一番関心を引いたのは、信じられないほど進化した「アイサイトX」だ。

相変わらずフロント・ウィンドシールドにステレオカメラが付いているけど、より小型化されたと同時に、より広角を読みとることで検知範囲が大幅に拡大した。また、フロントバンパー左右にレーダーが組み込まれるようになっている。アイサイトXの大きな特徴は、レーダーとステレオカメラによる新型アイサイトに、さらに高精度3D地図ユニットとドライバー監視カメラが追加されることだ。

ウインカーをつけるだけで、アイサイトXが後方の安全を確認し、追い越し車線にクルマがない場合、自動的に車線変更する。また、渋滞中のストップ&ゴーを対象に、時速50km/h以下なら、ブレーキやステアリングをコントロールし、ほぼ自動となる「渋滞時発進アシスト」が使えるようになった。これは、日産とBMWに続いてハンズオフ運転を可能にしている。

ブレーキやステアリングの性能も向上したので、アイサイトXを通して、交差点での横断歩行者、対向車、自転車などへの対応をよりシャープにクイックに反応するようになっている。

アイサイト
少し反射で見づらいが、撮影画角が大きくなった2つのカメラ(ステレオカメラ)が確認できる

アイサイトXのもう1つの特徴にも拍手を送ろう。カーブでの正確なコーナリング技術、また料金所に近づく時のブレーキング操作も、まるで丁寧なドライバーが制御している感じ。これはレーダーではなく、高精度3D地図で先読みしているから、こんなことができるわけだ。やはり、アイサイトXは凄い。

最後にもう1つ。ドライバー異常対応システムを無理やりに体験するために、インパネに付いている顔認識カメラを試した。脇見運転や携帯を下に見たフリをしたけど、新型レヴォーグはハザードとホーンがバーッバーッと音を出しながら、徐々に速度を下げてゆっくりと停止した。クルマに本当に見られているというか、守られている気がした。

試乗会場で新型レヴォーグの新しくなったところを聞けば聞くほど、驚いた。

室内とエンジンが新しくなったとか、ブレーキとサスペンションが進化したとかということを良く耳にするけど、同社のブランドイメージを上手く保ちながら、いい方向にその全てが進化するクルマは非常に珍しい。旧型とほぼ同価格で今年10月に販売開始となる新レヴォーグは、とにかくお薦めだ。

文=ピーター ライオン

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