湖底に沈むイタリアの幽霊村、来年27年ぶり出現へ

Le rovine del paese (1994)

イタリア・トスカーナ州では来年、1940年代から湖底に沈んでいる中世の村が姿を現す予定だ。イタリアへの旅行者は、この「幽霊村」が再び湖底に沈むまでの間、訪問が可能となる。

この村の名前はファッブリケ・ディ・カレッジーネで、トスカーナ州北部に広がるアプアンアルプスの丘陵地帯にある。英紙デーリー・ミラーによると、1270年頃に鍛冶屋たちにより設立され、製鉄で有名になった。1947年、水力発電ダムの建設により盆地が水で満たされバーリ湖となり、村は完全に水没。村民は近くの町バーリソットに移住した。

地元観光情報サイトによると、ダムは建設されて以降、メンテナンスのために1958年、74年、83年、94年の4回にわたり水が抜かれ、村はその都度、ゴーストタウンのように水中から出現。長年にわたり湖底に沈んでいたにもかかわらず、村の建物の保存状態は驚くほど良好だ。最後にこの村が姿を現した1994年には数千人が訪れ、石造りの家や墓地、橋、鐘塔がある教会などを見て回った。

これは地元に大きな経済効果をもたらし、ダムを所有するエネルギー企業エネルは再び盆地から水を抜くことを考えているとされる。元バーリソット町長の娘であるロレンツァ・ジョルジはフェイスブックへの投稿で、2021年に湖水が再び抜かれ、ファッブリケ・ディ・カレッジーネ村を見ることができるようになると発表した。

村はフィレンツェから133km、車で2時間ほどの距離にある。ピサとの距離はさらに近い78kmで、車で1時間半ほどだ。

編集=遠藤宗生

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