インドのユニコーン企業として知られるゾマトは、2008年にレストラン検索サービスを立ち上げた後、フードデリバリーに進出した。同社は今年1月にウーバーのUber Eatsのインド事業を買収し、シェアを伸ばそうとしているが、新たにインドでフードデリバリー事業を開始したアマゾンとの競争に直面している。
ゾマトは現地のレストランや顧客を対象にした調査で、パンデミック後の市場の動向を明らかにした。それによると、現在フードデリバリーを行っているレストランの数は、パンデミック前の70%まで回復しており、デリバリーに参入することで新たな環境に適応するケースが増えているという。
一方で、レストラン店内での食事はほぼ回復していない。これは、ロックダウンの余波や一時的または恒久的な閉店、消費者の外出への消極的な姿勢が原因だとされている。
「規制が解除された都市でも、現時点で営業している外食レストランは17%にとどまっており、これらのレストランも低キャパシティで営業している」とゾマトは報告書で述べた。さらに、「インドでは全体的な回復には時間がかかる見通しだが、ニュージーランドやアラブ首長国連邦、ポルトガルなどの国際市場はより楽観的な状況にある」と分析した。
そんな中、ゾマトやもう1つのインドのフードデリバリー企業Swiggyらは、アマゾンの追い上げに直面している。アマゾンは今年5月から、バンガロールでフードデリバリーを開始した。
ゾマトとSwiggyらはパンデミック後にスタッフを削減しており、巨大企業であるアマゾンの進出は、彼らにとって大きな脅威となる。アマゾンは最近、インドでオンライン薬局事業のトライアルも始めており、現地の業界団体はこれに反発している。
一方、現地メディアのTimes of Indiaによると、米国のウォルマートの子会社であるインドのEコマース企業フリップカート(Flipkart)も、インドで医薬品のオンライン販売を始動しようとしている。フリップカートはこの分野の競合の買収も進めているとされる。