日本のサウナの起源は1964年、東京オリンピックの際にフィンランド選手団が持ち込んだとされている。その後、1990年代から第2次ブームが起き、現在は第3次サウナブームと言われているが、このブームを牽引したのが、マンガ家のタナカカツキ氏が手掛けたサウナエッセイ『サ道』や『マンガ サ道』だ。
今回は、そんなタナカ氏をはじめ、ビジネス界きってのサウナ好きであるNEW STANDARD(元TABILABO)の代表取締役・久志尚太郎氏、そしてモデルの美咲氏に、サウナの魅力について聞いた。
「思考」の世界から「感覚」の世界へ
──ヘビーサウナーの皆さんが、サウナにハマったのはいつ頃からですか?
久志尚太郎(以下、久志):僕は昔からサウナには行っていたものの、ずっと「無自覚サウナー」でした。ただ「暑い部屋」と「冷たい池(水風呂)」の往復が「何となく気持ちいいなあ」というレベルだったんですが、タナカカツキさんの『サ道』に出会って、自覚的なサウナーになっていきました。
自覚的なサウナーになれたのは、カツキさんと仲のいい友人の一人でもあるプロサウナーの濡れ頭巾ちゃんが、サウナの恍惚感を表現する「ととのった」というその言葉を発明したことが大きいですね。その言葉を見たときに、サウナの気持ちよさに自覚的になり、より「ととのう」状態に入っていけるようになったんです。
タナカカツキ(以下、タナカ):私の「初ととのい」は、2008年頃でした。それからいろいろと調べ始めて、サウナエッセイをwebで連載し始めたので、サウナー歴は10年ほどです。
美咲:私がサウナにハマったのは3年前。主人がサウナにハマり始めたのがきっかけでした。その頃の私は、女性によくある「岩盤浴の方が好き」というタイプだったんです。
主人がサウナから帰ってくると、ぼーっとしているのが理解できていなくて。今思えば、それが「ととのっている」という状態だったのかもしれませんが、それに文句を言っていたら「一緒にサウナ行ったらわかる」と、無理矢理連れて行かれたのがきっかけです。
デビューは、サウナーなら一生に一度は行きたいといわれるサウナの聖地「サウナしきじ」。それからすっかりはまってしまい、2年前の引越しを機に、自宅にサウナを入れるほど好きになりました。