「うまく休めるようになる」 トップサウナーたちに聞くサウナの効果

ラヤポルティサウナ フィンランド最古の公衆サウナ



久志尚太郎氏(左上)、タナカカツキ氏(右上)、美咲氏(下)

──皆さんのようなサウナ好きの人たちはよく「ととのった」という言葉を使いますが、これは具体的にどういう状態ですか。サウナでしかその効果は得られないのでしょうか。

タナカ:シンプルにいうと、ととのった状態というのは、「温冷交代浴による恍惚」なんだと思います。

僕は、仕事中はほぼデスクワークで、ずっと「思考の世界」にいます。それが8時間も続くと、やっぱり外へと飛び出したくなるんですよ。それが、たとえばサウナを知る前だと、散歩に出かけるとか、美味しいものを食べるとか、温泉に行くとか、旅をするとか、音楽を聞くとか、そういう風に時間を使っていました。でも、そこにサウナが現れると、そういうものを一気に超えてきた。それぐらい「感覚の世界」に浸れるのが魅力ですね。

サウナは、ぐっすり眠るとか、美味しいものを食べるとか、そういうことと同じ「悦楽」なんだと思うんです。とにかく気持ちがいい。

人は気持ちいいことをなかなか嫌いになれないじゃないですか。気持ちよくって、ご機嫌になれることは、なかなか手放しがたいですよね。そういった「気持ちいい時間」を1日のうちに数時間もつことを習慣化していくと、もう抜け出せなくなります。


タナカカツキ氏(提供写真)

久志:サウナーにとっては、サウナに入っていなくてもいかにととのうかっていうことが、やっぱり大きなテーマになってくるんですよね。マニアックな話ですけど。

タナカ:サウナに一回入ったら気分もスッキリするし、体も綺麗になるんだけど、これを何年も続けていると、僕は体質がどんどん変わっていくのを感じます。習慣化すると精神的に安定するというのも、よく言われることですね。

僕は朝4時に起きて、20分刻みで仕事のタスクを組んでいるんですが、午前中に大体仕事を終わらせて、午後からサウナに行って、癒されながら想像力を膨らませるというルーティーンを毎日やっています。

久志:「疲れない」とか「飽きない」とか、そういうことをちゃんと考えてタスクを組み込んでいるのがすごいですよ。

タナカ:「いかに休むか」がずっとテーマで、自分を甘やかすことしか考えていないだけなんですけどね(笑)。


美咲氏

美咲:私にとってサウナは、「全身美容」ですね。今までいろいろな化粧品を使ってきましたが、その種類は圧倒的に減りました。サウナーを続けていると肌って変わるんです。肌が変わるとメイクも薄くて済むし、落とすのにも時間かけずに済む。美容面が一番楽しくなりました。

タナカ:サウナは「オーガニックコスメ」とも言われているんですよね。実際に、見た目で一番変わるのが肌です。だから、私の先輩でサウナ歴50年近い人のお尻とかすごいツルツルしています。男性でいるのがもったいないぐらい。もう、陶磁器のよう(笑)。
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インタビュー・構成=谷本有香

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