ビジネス

2020.08.23

無観客開催でも、全米オープンが持つマーケティング上の価値

Photo by Marek Janikowski/Icon Sport via Getty Images


2020年全米テニスオープンは無観客で行われるため、ボディアーマーのスポーツドリンクは、試合中と練習時に選手たちに提供される。同社はまた、全米オープン開催中に、スポンサー契約を結ぶ選手らを起用したデジタル広告とソーシャルメディア広告キャンペーンを実施する予定だ。

観客を入れて行われる例年の全米オープンでは、試合会場の「USTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター」はマーケターにとって、非常に魅力的な場所となる。その理由はファン層だ。2019年の観客は、女性が56%で、男性の44%を上回った。大規模スポーツイベントでは異例のことだ。

また、全米オープンに足を運ぶファンのうち、78%が学士号以上を持つ。それに対して、米国で行われるスポーツイベント全体では、その割合は35%にすぎない。全米テニスオープンの観客は、平均世帯年収が21万6000ドルと裕福で、アパレルからテニス用品、時計、金融サービスまで、惜しまずにお金を出すのだ。

会場にやってくる観客はビジネスチャンスであり、全米オープンのスポンサー契約において貴重な要素だ。全米テニス協会の最高売上責任者ルー・シェアは、無観客の開催ということで、支払われるスポンサー料が通常の半分未満になる可能性もあると話す。

新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、女子テニス協会(WTA)のツアーは5か月間にわたって休止された。ケンタッキー州レキシントンで8月16日に閉幕した「トップシード・オープン」は、3月はじめに行われた「オラクル・チャレンジャー・カップ」以来、米国で初めて開催されたテニスのトーナメントだった。

大坂のツアー再開後の初戦は、8月22日から始まる「ウェスタン&サザン・オープン」だ。同オープンは通常、オハイオ州シンシナティで開催されるが、今年は、全米オープンと同じナショナル・テニス・センターに会場を変更して行われる。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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